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日本のお客様に「本物のハワイ」を伝えたい
外大のグローバル環境が旅行好きの原点

日本のお客様に「本物のハワイ」を伝えたい外大のグローバル環境が旅行好きの原点

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みなさん、こんにちは。Take Action!編集部です。在学中のグローバルな経験が旅行好きの原点と話す繁田さん。外資系の航空会社に勤める繁田さんから語学を学ぶ以上に大切なことについてお話を伺いしました。

「またハワイに行きたい」の言葉が、一番のやりがい

 2016年からハワイアン航空に勤務し、日本地区営業本部・西日本支店長を務めています。エアラインで働くというと、客室乗務員を真っ先にイメージするかもしれませんが、実際はいろんな仕事があります。私のメインの業務は、旅行会社への営業です。ハワイアン航空を使ったハワイツアーを旅行会社で販売していただいたり、団体旅行向けのプログラムやサービスを考えてご提案したり。関西や九州で行われるハワイ関連 のイベントを担当することもあります。

 もう一つ、私の大きな役割に「教育旅行」の営業があります。これは修学旅行や留学、学校で実施される海外研修などで、学校の先生方と直接やりとりし、「ハワイはいかがですか?」とご提案します。実際にハワイに行くとどんなことが学べるかを知っていただくため、ハワイ教育旅行セミナーを全国で開催したり、現地への視察旅行に先生方を招待したりもします。

 先生方へリサーチすると、教育旅行に「SDGs(持続可能な開発目標)関連の学び」を望む声が多く聞かれます。アメリカはSDGsや環境問題に対してあまり先進的ではない、というイメージをお持ちの方もいますが、ハワイ州には、ハワイ版SDGsにあたる「アロハプラスチャレンジ」という特別プログラムがあります。クリーンエネルギーへの転換、天然資源の管理、固形廃棄物の削減など、大きく6つの目標を掲げ、積極的にサステナブルな取り組みを進めており、この点を先生方にご紹介しています。

 ハワイアン航空には「Team Kokua」という社員によるボランティア組織があるのですが、2022年には、ハワイへの修学旅行を11月に控えた関西地区の高校と共に、ワイキキビーチの姉妹浜である和歌山県白良浜でビーチクリーンを行いました。「SDGsには〝海の豊かさを守ろう″という目標がありますね」と高校生にお話しし、「日本から出たゴミはハワイにも流れ着きます。ハワイに行く前に日本の海をきれいにしましょう」と活動につなげました。実際の修学旅行では、現地のアラモアナビーチの清掃を体験。このように独自のアクティビティも提案しながら、お客様のご要望にお応えしています。

 ハワイにある本社から常々言われているのは、日本のお客様に「Authentic Hawaii」(本物のハワイ)を伝えなさい、ということです。ハワイアン航空はハワイを代表する航空会社ですので、その文化を正しく伝えることを心がけ、私も日々勉強しています。私の使命は、より多くの方にハワイに行っていただくこと、ハワイアン航空をご利用いただくことですが、自分がおすすめした旅行に対して、多くのお客様が「ハワイに行って楽しかった、勉強になった」「また行きたい」と喜んでくださいます。それが一番のやりがいです。

ハワイの社員から感じる、日本人へのリスペクト

 現在、日本支社は日本人社員のみですが、ハワイの本社はアメリカ人社員が大多数。ネイティブハワイアンの方や日系3世、4世の方、アメリカ本土から引っ越してきた方など、さまざまです。日々、本社とは英語でメールのやりとりをし、少なくとも週1回はオンライン会議があります。ハワイの人は一般的にホスピタリティにあふれ、優しい方が多いですが、仕事上のメールや会議からもそれを感じます。

 私は以前、アメリカン航空で約8年間、働いていたことがあります。テキサス州のダラスに本社があり、約10万人の社員を抱える巨大エアラインでした。一方、ハワイアン航空は従業員が約7000人。規模ではアメリカン航空より小さいですが、日本市場での売上シェアが非常に大きく、日本人に対するリスペクトがまるで違います。新しいサービスを始める際には、「日本のマーケットでも問題ないか」と本社から事前確認があるなど、とても働きやすく、やりがいを感じる職場環境です。

 アメリカ人社員とのコミュニケーションで日頃から気をつけているのは、自分の意思を言葉ではっきり伝えること。日本人同士なら、100パーセント説明しなくても通じ合える場合が多いですが、外国人相手にそれは通用しません。遠慮して言わなかったり、書かなかったりしたことで、誤解が生じ、最終的にお互いが嫌な気持ちになる。そんな事態を招かないために、最初からしっかり伝えます。ただ、ハワイは日本人に近い感覚を持っている方が多いです。なので、意思を伝えるだけでなく、「なぜそう思うのか」の理由も丁寧に説明すると、相手に理解してもらえることが多いですね。

一度は離れた航空業界。でもやっぱり「旅行が好き」

 ハワイアン航空に就職するまでに、私は3つの企業で働きました。1995年に関西外大を卒業し、最初は旅行会社のエイチ・アイ・エス(HIS)に入社。約3年勤めた後、先ほど述べたアメリカン航空に転職しました。しかし、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロの影響で会社の経営状況が悪化、その後は度重なる転勤を余儀なくされました。自分の努力だけではコントロールできない要因によって、人生を大きく左右される——そんな状況に将来的な不安を覚え、「航空業界から離れよう」と決断したのです。2007年からは広告代理店に勤務。当時は、このままずっと広告業界で仕事をするのかな、と思っていました。

 ところが2016年、ハワイアン航空の大阪支店長の募集がありものすごく悩んだ末に、「もう一度、航空業界に戻ってみよう」と決意しました。いま、ハワイアン航空で働けることにとても満足しています。私の根底には「旅行がすごく好き」という思いがあり、自分の好きなものを商売にして、お客様におすすめし喜んでもらえる。この仕事は自分にすごく合っていると思います。

海外に造詣の深い友人たちと過ごした4年間

 大学時代の一番の思い出は、チアリーダー部「PYRATES」での活動です。今では学内外で大活躍のPYRATESですが、当時はまだチームの立ち上げの頃で、私が2回生のときに一つ上の先輩方と一緒に活動の基盤を作っていきました。コーチもいなければ、本場アメリカのチアリーディングにくわしい部員もいない中、自分たちでビデオを見て研究したり、他の大学に教えを乞いに行ったり。週1回のオフ日以外は、毎日夜遅くまで練習して、大会に出るために朝練もしていました。 

 三代目の代表になってからは、さらに頑張りました。私にはチアリーダーの素質よりも、人をまとめるマネジメントのほうに適性があったと思います。自分が一生懸命になれば、周りの人にも必ず伝わる。それは今も信じていることで、何事にも一生懸命取り組んでいます。

 また、私の旅行好きの原点は、関西外大のクラスメートに誘ってもらったヨーロッパへのバックパッカー旅行にあります。卒業が近づいた頃、女子学生4人でイタリアとスイスを周遊しました。イタリアでは英語が通じない場面もありましたが、片言のイタリア語とジェスチャーで乗り切るなど、「言葉が通じないながらも何とかなる」という面白さを味わいました。そのときに知った旅行の楽しさが、卒業後の旅行会社や航空会社への就職につながっていると思います。

 関西外大では、海外の文化に造詣が深い友人が周りにたくさんいて、大きな刺激を受けることができました。そこが、この大学の素晴らしいところで、私が一番感謝している点です。当時の私はクラブ活動に忙しく、外大が提供する留学プログラムを活用できませんでしたが、周りには留学を経験している同級生、先輩や後輩、日本に留学しに来ている外国人学生、外国籍の先生方もたくさんいました。学校に行くだけで、通常の日本の生活とは違う国際環境を味わえた貴重な4年間でした。

外国語を学び、自国の言葉も大切にしてほしい

 関西外大の学生の多くは、グローバルな環境で働くことを目標にしていると思いますので、外国語の学習はもちろん重要です。しかし今後は、日本で働こうと思っている人でも語学が必須項目になると思います。日本はいま労働力不足に直面し、外国人労働者を受け入れないと経済が回らない状況にあるからです。

 しかし同時に、語学力はコミュニケーションツールの一つにすぎません。相手の国の状況や文化、宗教観などバックグラウンドを理解したうえで、語学力があって、初めて円滑なコミュニケーションが成り立ちます。いくら外国語を話せても、一方的に主張するだけでは、最終的に自分の目指したいところにたどり着けないものです。

 外国語を学んでいる外大の皆さんには、さらに日本語も大切にしてもらいたいなと思っています。ハワイにはかつて、ハワイ語の使用が禁止され、口頭伝承により古来受け継がれてきた伝統文化が否定された時代がありました。ですが、日本はずっと日本語を守り、だからこそ文化が守られてきたと言えます。そういう意味で、「外国語を学ぶ+自国の言葉を大切にする」ことを意識してもらえたらと思います。

※記事の内容は取材時点(2023年10月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。