世界につながるヒントがここにある
関西外大ブランドサイト

報道の現場は、
思いを伝える力を育んだニューヨーク。

報道の現場は、思いを伝える力を育んだニューヨーク。

何でも挑戦してみる
自らチャンスを作り出す
諦めず最後までやり切る
松岡 志保さん

何か大きな事件があれば、すぐに飛んでいく。私はいま、日本のテレビ局のニューヨーク支局に勤め、報道プロデューサーとしてアメリカで起きるニュースを日本へ届けています。人の感情が、大きく揺れ動いている取材現場で伝えるべきことを引き出すとき、留学で身に付けた力が生きていると感じます。

<<Profile>>
日本テレビ報道局ニューヨーク支局勤務。外国語学部英米語学科2014年卒。子どもの頃から英語や音楽に親しみ、高校で短期留学を経験。関西外大でニューヨークの大学にダブル・ディグリー留学し、そこで磨いたコミュニケーションを現在の仕事に生かしています。

信頼関係を築かなければいい報道はできない。

 報道プロデューサーは、ニュース制作のまとめ役。記者とカメラマンの3人でチームを組み、情報収集や取材相手への許可取りなどを行います。扱うニュースは、金融や外交、社会問題など、あらゆる分野にわたります。

 以前、アメリカの社会を揺るがす大きな事件が起きたときのこと。事件の状況を日本の視聴者にわかりやすく伝えるため、過去に同じ被害に遭った人に取材をすることになりました。私が最初に電話で取材をお願いしたときの答えは、「NO」。でも、そこで諦めず、なぜダメなのか、相手の率直な思いを知りたいと考えて再びコンタクトを取りました。すると、実はその方は「自分が取材を受けることで、今回の事件を大きくしてしまうのではないか」と懸念されていることがわかったのです。私は、「決してそういうことはない。あなたの話を社会に発信し、二度と同じことが起こらないようにしたいと思っている」と、こちらの思いを伝え続けました。そして、ついに「あなたの取材なら、受ける」と言っていただけたのです。相手の気持ちに寄り添い、真摯に向き合い続けることで、心の扉を開くことができた瞬間でした。

 取材対象者とコミュニケーションを重ね、信頼関係を築き、視聴者にニュースを届ける。そのことが基本となるいまの仕事は、自分の肌に合っていて、毎日が充実しています。

2つの専攻に挑戦し、やり切った留学生活。

 何か大きな事件が起きるとすぐ現地に飛び、いち早く日本でオンエア。24時間体制で動くなかで、私がポジティブに頑張れているのは、学生時代に「自分がやると決めたことを、全力でやり切る」という経験を積むことができたからだと思います。

 私はニューヨークの大学に、ダブル・ディグリー留学をしました。現地学生でもほとんど選択しない「ダブルメジャー」に挑戦しました。コミュニケーション学の専攻に加えて、子どもの頃から大好きだった音楽も専攻したのです。その分、受講する科目数はほかの学生の倍になり、大変でしたが「絶対にこのチャンスを無駄にしたくない」と、すべての授業に全力投球で臨みました。

 コミュニケーション学は本当に幅広いことが学べる専攻で、たとえば「説得に関するコミュニケーション」では、広告の手法を通じて商品を買ってもらうための説得方法について学修。広告を見る人が商品を知っているか、いないかによってアプローチの仕方を変えるなど、興味深いテーマばかりでした。

 また、音楽の専攻もワクワクするような内容で、ペットボトルの音をサンプリングして音楽を作る「電子音楽論」や、声楽の基礎練習などを通じて表現力を磨く授業などを履修。結果として、両方の専攻で学位を取得することができました。挑戦してやり切れたという経験が、自分に自信を与えてくれたと思います。

 どちらの専攻でも共通して学んだことは、「いかに自分の思いを表現するか」です。現在の仕事で重要な要素となっている「伝える力」は、この留学で大きく伸ばすことができました。

合わせてチェック

海外大学の学位を取る「ダブル・ディグリー留学」

留学2年間を含む4年半をかけて、関西外大と留学先大学の2つの学位取得をめざす留学です。学位取得後は帰国し、国内で就職・進学する、海外の大学院へ進学する、または、アメリカの大学に派遣された場合、Optional Practical Training(1年間アメリカでインターンシップに参加する制度)を利用し、海外で就職するなど、選択肢が大きく広がります。取得した学位を利用して、卒業後のキャリアを世界に広げたい人に最適です。

後悔しない生き方を貫いていきたい。

 肌に合っていると感じている報道プロデューサーの仕事ですが、学生時代の早期からめざしていたわけではありません。進路を考えるうえでまず悩んだのが、大学卒業後に日本とアメリカ、どちらで働くかということ。ニューヨークで働こうと決めてからも、当時の自分には現地で働くことの壁が想像以上に高く、なかなか採用には至りませんでした。

 そんなときに出合ったのがいまの仕事です。それまで報道を「自分の仕事」として考えたことがなかったので、「人とのコミュニケーションを通じて、ニュースを伝える」という仕事は新鮮で、魅力的に感じました。「ここで挑戦しなければ後悔する!」と、無我夢中で採用試験に取り組み、突破することができました。

 仕事に慣れてきた頃、採用に関わった方からこんなことを言われました。「君が報道という仕事に詳しくないことはすぐにわかった。しかし、探究心やマルチタスクで物事を進める能力は素晴らしい。それは報道の世界で最も大事なことの一つだから、我々はそこに賭けることにしたんだ」。それまでの自分の生き方が認められたような気がして、いまも忘れられない一言になっています。

 経験を積むにしたがい、取材交渉では「あなたにだけ、話しますね」と言っていただけることが増えてきました。今後も自分の強みである、相手の目線に立った心くばりや、寄り添い方を磨き続けていこうと思っています。また仕事だけでなく、プライベートでこれまで続けてきたミュージカルやモデル活動にも、さらに力を入れていくつもりです。私は、「死ぬときに後悔しない。やらない後悔よりやって後悔する方がいい」、そう生きたい。やると決めたら後悔のないようにやり切る姿勢で、これからも夢を現実に変えていきます。

海外ドキュメンタリー GO FOR it!

※本記事は「大学案内2023」を元に再構成したものです。資料請求はこちら
※記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります