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観光大国スペインで学んだツーリズム。
留学を通して、将来の夢が見つかった

観光大国スペインで学んだツーリズム。留学を通して、将来の夢が見つかった

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多様な価値観と向き合う
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みなさん、こんにちは。Take Action!編集部です。スペインのネブリハ大学でスペイン語とツーリズムを学ぶ高橋凜さん(外国語学部スペイン語学科/高知県立高知西高校)。彼女の挑戦は、留学準備から始まり、留学を通して新たな夢が見つかりました。そんな彼女のストーリーからどのような発見や変化があったのかお話を聞きました。

入学の決め手は、スペイン語と留学制度

—関西外大へ入学を決めた理由を教えてください。

高校生のとき、「大学に進学したら何を学びたいか」と考えたところ、〝国際関係″と〝外国語″という2つのキーワードに辿り着きました。関西外大を選んだ決め手は、スペイン語と英語を同時に学べること、活気あるキャンパス、そして充実した留学制度です。私は高校で3年間、英語科に所属していたので、大学では英語以外の新しい言語に挑戦したいと思いました。

関西外大で専門的に学べる言語には、英語のほか、スペイン語、中国語があります。私がスペイン語学科を選んだ理由は、中国語のほうが話者人口は圧倒的に多いけれど、公用語として話されている国の数では、スペイン語のほうがずっと多いと知ったからです。

—入学前から、留学しようと心に決めていたのですね?

留学したいという思いは、ずっとありました。私が通っていた高校は、文部科学省のスーパーグローバルハイスクール指定校だったので、「グローバル探究」という授業の一環で、台湾やシンガポールなど、海外で探究活動を行う機会がありました。しかし部活動で忙しく、高校時代は留学できませんでした。
オープンキャンパスに参加したとき、関西外大の留学制度は、他の大学と比べて一番充実していると思いました。海外協定校の数がダントツで多く、留学プログラムの種類も期間もさまざま。自分が努力をして、選考試験や審査で基準を満たせば、奨学金を得て留学することもできる。多様な選択肢があることに、魅力を感じました。

PIEプログラムで、留学に向けて磨いたスペイン語力

—入学後、初めてのスペイン語の授業はいかがでしたか?

入学当初、私はスペイン語学科の最上位クラスに入ったので、最初からネイティブの先生の授業を受けていました。はじめは何もわからず、先生が話すスペイン語を聞きながら、どうしようと戸惑ったものです。ですが、先生方は丁寧に段階を踏んで教えてくださるので、しっかり復習をして、少しずつ上達していきました。

2年次からは「PIEプログラム」を受講しました。これは、スペインやラテンアメリカ出身のネイティブの先生方が、すべてスペイン語で講義を行う特別プログラムで、スペイン語の運用能力がぐんとレベルアップします。留学をめざしていた私は、3年次も継続して受講し語学力を磨きました。

—留学に向けて、特に役立った授業を教えてください。

留学という点で役立ったのは、砂原由美先生の「スペイン語文学概論」です。小説をはじめとした、スペイン文学を読み解く授業で、高度なリーディングに慣れることができました。おかげで留学開始までに、スペイン語の難解な哲学書も読める力が身に付き、もちろん留学先での学修にも役立っています。

南米の留学生との交流で、ネイティブとの会話が自信に変わった

—関西外大では、どんなキャンパスライフを送っていましたか?

御殿山キャンパス・グローバルタウンには、「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」という外大生と留学生が共同生活を送る施設があります。友だちが「結」に入居し、レジデントアシスタントをしていたので、私もそこで積極的に留学生と関わるようにしました。

なかでも、スペイン語圏であるラテンアメリカ出身の学生たちと仲良くなりました。私はスペイン語を、彼らは日本語を勉強しています。互いの言語を使って、言葉のキャッチボールをするうちに、ネイティブスピーカーと話すことへの自信がついてきました。私がスペイン語の文法や単語を間違えても、彼らはけっして笑ったりせず、私の語学力が上達するよう助けてくれました。「結」での体験は、いい留学準備になったと思います。

ツーリズムとスペイン語を学びに、いざマドリードへ!

—留学先にスペインを選んだ理由を教えてください。

私は3年次の2月から約1年間、スペインの首都マドリードにあるネブリハ大学に留学しています。スペイン国内でも言語教育で有名な大学で、世界中から学生が集まっています。

関西外大の「イベロアメリカリベラルアーツ留学」では、スペイン、メキシコ、南米など、スペイン語圏にある協定大学が留学先になります。スペイン語と一口に言っても、国によって大きく異なります。例えば、南米のスペイン語は、アメリカ合衆国からの影響を受けやすく、英語に似た単語が多くあります。私は標準的なスペインのスペイン語を修得したいと思いました。

また、観光産業が盛んなスペインで、ツーリズムを学びたかったのも大きな理由です。実を言えば、留学準備を進める中で、私は将来何をしたいのか、明確なビジョンを持てずにいました。海外の大学で何を学びたいのか、じっくり考えた結果、将来は故郷の高知県を観光産業で活性化したい、そのためにツーリズムを勉強したい、と気づきました。スペインは、ほとんどの大学にツーリズム学科があり、授業内容も充実しています。私の進みたい道にぴったりの行き先でした。

ネブリハ大学での学び。ツーリズムの違いが見えて面白い

—ネブリハ大学では、どんな勉強をしていますか?

最初の学期は、留学生コースでスペイン語やスペインの文化を中心に学び、スペイン語検定のDELEでB2(ビジネスで使えるレベル)を取得しました。

2学期目の現在は、学士課程の授業をスペイン語で受けています。主にツーリズムの科目を履修し、さらに心理学やスペイン語の授業も取っています。クラスメートはスペインやラテンアメリカ出身のネイティブの学生が大半で、イタリアやドイツからの留学生もいますが、アジアの学生は私だけ。ネイティブの間で話されるスペイン語のあまりの速さに、聞き取るのが精一杯なこともありますが、次第に慣れてきました。

—特に力を入れている授業について、具体的に教えてください。

ツーリズムの「E-commerce」の授業です。観光産業におけるインターネット取引について学んでいます。学士課程の4年生向けの授業なので、他の学生が数年かけて身に付けた専門知識が盛り込まれていて、非常に難しい内容です。しかし、私は関西外大で「ツーリズム」を受講し、基礎的な知識はすでに学んでいました。ですから、専門性の高い授業を通じて、新しい知識をさらに学べるのが面白いです。

例えば、授業の課題で、旅行会社のウェブサイトを各自で調査したことがありました。イタリア人の友だちは、イタリアの若者向けのオンライン旅行代理店を調べたり、私は日本の旅行会社を取り上げたり。各サイトを比べてみると、ヨーロッパのサイトは、英語、中国語、スペイン語、フランス語など、さまざまな言語の翻訳があり、全世界向けに作られていました。一方、日本のサイトは日本語が中心で、翻訳があっても情報量が極端に少なかったのです。国や地域によって、こんなにツーリズムに差があるんだとわかり、興味深かったです。

—授業で苦労したことはありますか? また、どうやって乗り越えましたか?

授業は講義形式ですが、こちらの学生は教授が話している最中でも、パッと手を挙げて、どんどん発言や質問をします。そこからディスカッションが始まるような、参加型の授業です。しかし、日本で受け身の教育に慣れてきた私は、教授の話を遮って自分から切り込んでいくのに、まだ苦労しています。

でも自分の中に意見があれば、発言することはできるはず。そう思って、力を入れているのは、予習と復習です。頭の中にしっかり内容をインプットして、ディスカッションの輪に入れるよう努力しています。

また、仲の良いイタリア人の友だちが助けてくれたり、教授が授業中に「これは、わかる?」と私のことを気にかけてくれたり。周りの支えのおかげで、理解を深めることができています。

ホストマザーは、私だけのスペイン語の先生

—ホストファミリーとの生活はいかがですか?

私は今、マドリード出身の80代の女性と一緒に暮らしています。約30年間、ホストマザーをしてきた方なので、留学生がスペイン語を間違えると、反射的に直してしまうそうです。私にとっては、良きスペイン語の先生でもあります。日常生活の中で、知らなかった表現を教えてくれたり、間違った文法やアクセントを直してくれたり。発音が難しい単語を、20分間リピートさせられたこともありました。彼女と暮らしていなかったら、私のスペイン語の上達は大きく違っただろうと思います。

ホストマザーとは仲が良く、夏休みには、スペイン北部の小さな村にある彼女のセカンドハウスに、1週間ほど招待してもらいました。山、川、海がそろう自然豊かな土地で、ホストマザーのお孫さんたちと遊んだり、地域の祭りに参加したり。忘れられない思い出になりました。

海外で経験を積み、将来は故郷を活性化したい

—最後に、これからの目標について教えてください。

スペインで生活する中で、新しい夢ができました。大学卒業後にスペインに戻って、旅行業界で働くことです。スペインには、日本に良いイメージを持っている人が多く、いろんな友だちから「日本に行ってみたい」と言われました。しかし、具体的に旅行プランを聞いてみると、もっと効率のいい回り方があったり、SNSで有名でも味は今一つのレストランだったり、日本人の私だからこそ気づけることが、たくさんありました。せっかくスペインから、遠く離れた日本に来てもらうなら、最大限にいい思い出を作って帰ってほしい。それを実現できるようサポートしたい、と思うようになったのです。また、その逆も同様で、スペイン人の親切さ、食べ物、街の雰囲気に魅せられた一人として、スペインを訪れる日本人にも最大限に旅を楽しんでもらえるよう、お手伝いができたらと思っています。

そして、さまざまな経験を積んだうえで、最終的には故郷の高知県に戻りたい。観光産業で地域を活性化したいという思いは今も変わりません。このスペイン留学を通して、自分が将来進みたい道を明確にし、未来への道筋を立てることができたと感じています。

コンセプトムービー|私が見つけた、語学のその先

※記事の内容は取材時点(2024年2月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。