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海外留学で学んだホスピタリティ
フィンランドの空を舞台に
異文化をつなぐ接客を極める

海外留学で学んだホスピタリティフィンランドの空を舞台に異文化をつなぐ接客を極める

多様な価値観と向き合う
仲間と共に乗り越える
他者に貢献する

みなさん、こんにちは。Take Action!編集部です。CAと英語教員への憧れを胸に関西外大の短期大学部へ入学した宮城さん。関西外大で自らの将来と向き合い「世界に出てもっと成長したい」と思うようになりました。フィンランドで活躍する宮城さんに、現在の仕事と関西外大での学びについてお話しいただきました。

北欧フィンランドでCAとして働く

フィンランドの航空会社「フィンエアー」で、首都ヘルシンキベースの客室乗務員として働き5年になります。私が乗務するのは、フィンランドの国内線とヨーロッパへの中距離路線、日本やアメリカなどへの長距離路線です。機内では飲み物や食事などのサービスを提供するほか、非常用設備の案内や急病のお客様の処置、緊急事態への対応など保安業務も行います。フィンエアーは乗務員の大半がフィンランド人ですので、日本路線では、機長や客室責任者のアナウンスを日本語に訳してお客様にお伝えする業務も任されています。

客室乗務員の仕事では、お客様だけでなく、共に乗務するクルーもフライトの度に変わります。毎回が「初めまして」から始まり、フライト後の「お疲れさま。ありがとう」で終わるのです。クルー同士の円滑なコミュニケーションは良い接客に不可欠ですので、顔合わせしてからお客様をお迎えするまでのわずか40~50分の間に、少しでも互いを知ろうと努力しています。自分からすすんで声をかけると、相手も心を開いてくれるものです。そうして無事にフライトを終え、お客様の笑顔を見たときには、「今日も頑張って良かった」とうれしくなります。

日本人の視点を生かし、異文化間の架け橋になる

私は日本人の客室乗務員として、フィンランド人クルーとは異なる視点を生かすよう心がけています。同僚が気づかない場所に気を配ったり、先を見越して行動したり、周りをよく見て仕事する私の姿に、「その働き方、いいね」と同僚から褒められることもあります。

一方で、フィンランド人の同僚から学ぶことも多いです。一般的に、日本人は丁寧な接客をし、お客様を最優先するところがありますが、フィンランド人クルーの仕事ぶりを見ていると、まるで自分の家族を大切にするように、アットホームなサービスを心がけているのがわかります。多様性を受け入れ、異なる文化を尊重する姿勢にあふれているのです。

例えば、日本路線に乗務するフィンランド人クルーの多くは、簡単な日本語を学び、日本人のお客様に「赤ワイン?白ワイン?」「お茶?コーヒー?」と日本語で接しています。そんな姿を目にすると、私もあたたかい気持ちになります。

とはいえ、異文化がまじわる国際線ならではの大変さも。価値観の違いから、フィンランド人クルーと日本人のお客様の間でトラブルが起きたときには、間に立って架け橋にならなくてはなりません。外国人クルーに対して日本人のお客様の考え方を説明したり、お客様に対して外国人クルーのカバーをしたり。難しさもありますが、私が架け橋になることでフィンランド人クルーの日本人に対する理解度が深まり、より良いサービスにつながるため、非常にやりがいを感じます。

国内線ではフィンランド語でサービスを提供

フィンエアーの国内線のお客様はフィンランド語話者が多いので、私も基本的なサービスはフィンランド語で行うようにしています。入社当初はまったくフィンランド語がわからず、お客様から「フィンランドの航空会社なのに、なぜフィンランド語を話せないんだ」と言われたこともありました。英語だけでは足りないと感じ、悔しくて、そこからフィンランド語の勉強を始めたのです。

今ではお客様に合わせて、英語、フィンランド語、日本語を使い分けて仕事をしていますが、語学の修得には終わりがないと思っています。英語であっても、サービス用語なら問題なく話せますが、急病のお客様対応に必要な医学用語は「どうやって訳そう」と悩むことも多いです。まだまだ勉強が足りないなと感じますね。

このように客室乗務員の仕事には、コミュニケーション能力と異文化の理解が欠かせませんが、どちらも大学時代に得たものだなと実感しています。関西外大には英語圏以外の国からの留学生がたくさんいたので、英語が母語ではない者同士、コミュニケーションを取る機会が多くありました。流暢に話せなくても、異なる文化を理解しようとする姿勢があれば通じ合える。そう学んだのは大学時代です。

英語教員とCAへの憧れを胸に、短期大学部へ

私は高校の頃から、客室乗務員への憧れのほかに、「英語の先生になりたい」という夢も持っていました。高校の英語の授業で、先生に教えてもらった言葉を使い、ALTの外国人教員と会話が成り立った時のうれしさ。言語を教えるという仕事は、人の新しい可能性を引き出せるんだと思ったのです。英語教員の道へ進むか、憧れのCAをめざすか。考えた末、航空会社への就職に実績があり、英語教員の育成にも力を入れている関西外大の短期大学部へ入学することにしました。

短期大学部では、ネイティブ教員による「IES(Intensive English Studies)プログラム」の授業が非常に役立ちました。毎週のように英語でプレゼンテーションしたことを覚えています。私はシャイな性格で、人前で話すのが苦手でしたが、この授業を通して英語で話すことに自信がつきました。他にも、学内の外国人留学生に英語でアンケートを行う課題があり、キャンパスで出会う留学生に次々声をかけるうちに、積極的に話せるようになりました。

短大独自の授業である「K.G.C.ベーシックス」も印象に残っています。クラス担任による週1回のホームルームのような時間で、キャリア形成に必要な知識を学んだり、将来に関する質問や相談をしたりしました。先生と学生の距離が近く、「授業外でもいつでも話しにおいで」と言ってくださったので、先生の研究室をよく訪ねたものです。短大には、就職をめざす人、編入学を志す人、留学に挑戦する人など、いろいろな学生がいますが、クラス全員が週1回集まり、お互いの目標や夢を語り合うことで、切磋琢磨していたと思います。

世界に出てもっと成長したい。その思いからCAの道へ

その後、私は関西外大の外国語学部へ3年次編入学しました。短大での2年間があっという間で、まだまだ学び足りないと思ったからです。英語教員をめざして教職課程の授業を履修していましたが、短大で取得できるのは中学校の教員免許まで。大学では高校の教員免許を取れるので、英語教授法や授業のつくり方をもっと勉強しようと編入学を選びました。しかし、この時点でもまだ、私は将来の方向性を決めかねていたのです。

CAを本気でめざす転機が訪れたのは、編入学後、教職課程で教育実習をしたときです。出身中学校で英語の授業を行い、教える楽しさを心から味わいました。しかし同時に、私自身が人としてもっと成長したら、子どもたちにいろんなことを教えてあげられるという思いが湧いてきたのです。もっと世界を見てから、自分が見てきたものを教えることができたら理想的だと思いました。いろんな場所に行き、いろんな人に出会い、世界を見てみたい。そこからCAになろうと気持ちが定まったのです。

アメリカ留学で学んだホスピタリティ

念願だった長期留学にも挑戦し、アメリカ・ノースカロライナ州のアパラチアン州立大学で約1年間、ホスピタリティ・マネジメントを勉強しました。留学前はホスピタリティというと、「おもてなし」など、日本人らしい接客を中心に考えていましたが、アメリカでの授業を通して様々なホスピタリティの考え方を知りました。国によって接客の方法にも違いがあり、「誰もが気持ち良いと思える接客とは何か」を深く考えるきっかけとなりました。この時の学びは今の仕事にも生きています。

留学の行き帰りの飛行機で見た、客室乗務員のてきぱきとした仕事ぶりにも刺激を受けました。アメリカ路線はお客様の人種も国籍もさまざまですが、その中で誰にでも気持ちの良い接客をしている姿に、私も将来こうなれたらいいなと思ったのです。

さらに、CAをめざすうえで大いに役立ったのは、関西外大で開講している、航空会社出身の先生方の授業やキャリア講座でした。中でも、JAL出身でCA経験者の職員の方が担当するエアライン対策講座では、企業研究や自己分析のほか、面接対策など実践的な指導もしていただき、夢へ大きく近づく助けとなりました。

夢へ向けて、全力で応援してくれた関西外大

関西外大は、教職員の方々はもちろん、カリキュラムや留学制度、就職支援に至るまで、学校全体が全力で学生を応援してくれる大学だと思います。語学を身に付けることで、将来活躍できる場や選択肢がどんどん広がっていきます。学生一人ひとりが自分の選択肢を見つけ、夢をかなえる場所。それが関西外大です。

私自身も、語学を身に付けたことで行動範囲が広がり、いま海外で好きな仕事をし、自分らしいライフスタイルを追求しています。これから長くフィンランドに住み、フィンランド語をもっと勉強して、この国のお客様に気持ちの良い接客ができる客室乗務員になりたいと思っています。そしていずれは、教育現場に戻り、教員というもう一つの夢をかなえたいです。

密着ドキュメンタリー|PATHWAY TO MY DREAM

※記事の内容は取材時点(2024年2月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。