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ニューヨークに留学したからこそ気づいた
自分にしかない強みを生かして働くということ。
海外で働きたいという思いから外大に。

ニューヨークに留学したからこそ気づいた自分にしかない強みを生かして働くということ。海外で働きたいという思いから外大に。

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こんにちは、Take Action!編集部です。今回の記事に登場するレオナルド・バネガスさんは、関西外大在学中に、アメリカの大学に留学してビジネス学の学位を取得し、帰国後は食品酒類総合メーカーのサントリーで働いています。コロンビアと日本の2つのルーツを持ち、日本語・英語・スペイン語の3カ国語に堪能なレオナルドさんに、外大と留学先での学びと歩んできたキャリアについて伺いました。

INDEX

入学までの歩みと出会い

ー今に至るまでにどのような人生を歩んでこられたか、お聞かせください。

私は南米のコロンビア生まれ、5歳の時に家族で日本に来て以来、名古屋と大阪で育ちました。幼い頃から家の中ではスペイン語で会話していたこともあって、日本語、英語、スペイン語の3カ国語が話せますが、実は日本語が一番得意です。

地元の小中学校から、大阪府立四條畷高校という公立高校に進学しました。受験に力を入れている学校で、周囲もレベルの高い大学をめざす人が多く、私もそこまで深く考えずに某国立大学の建築学部を志望していました。しかし、2度の浪人やアルバイトの経験を通して「もう少し視野を広げて将来のことを考えてみよう」と思ったのです。

ー関西外大と出会うきっかけは?

ちょうどその頃に、友人から「関西外大には、外国の大学でも学位がとれるダブル・ディグリー留学という制度があるよ」と聞きました。日本とコロンビアのどちらのアイデンティティーも持ちながらも、見た目は「外国の人」という違いに悩んでいたこともあり、日本の「なるべく目立たないほうがいい」といった空気の中で、生きていくのはなかなか大変そうだなあ、とも感じていました。それで「将来は海外で働くのもいいかもしれない。そのための学びと経験を積むために、関西外大に進学しよう」と決めたのです。

「使える英語」を学び、国際交流部でアルバイトも

ーでは、それまで英語は、受験勉強が中心だったのですか?

そのとおりです。私が「使える英語」を本格的に学び始めたのは、関西外大に入学してからでした。それまでは普通の日本の高校生のように、受験勉強として英語に取り組み、文法や単語の知識はあっても、ネイティブの人とやりとりできるようなレベルではありませんでした。そこで将来、海外で働く上で必須となる実践的な英語力を身に付けるべく、英米語学科を選びました。

ー入学してからの、関西外大の印象はどうでしたか?

関西外大に入学して感じたのは、「本当にいろんな人がいるな」ということでした。勉強をすごく頑張っている人、スポーツやサークルに本気で取り組んでいる人、それにさまざまな国の留学生がたくさんいて、いろんな国の言語が飛び交っていました。

入学前は「海外に行って多様な文化に触れたい」と考えていましたが、その目標が大学に来るだけで、ある程度叶ってしまったのが嬉しかったですね。大学の授業も、オールイングリッシュで行われるクラスが複数あり、積極的に参加して発言をするうちに、英語力がどんどん向上していくのがわかりました。

また勉学と同時に、留学生の派遣や受け入れなどを行っている国際交流部でアルバイトをしたことが、とても大きな経験になりました。国際交流部が主催するイベントや企画で、留学生や外大の学生と交流する機会が多々あり、友だちや知り合いが増えていくことで、ますます大学生活が充実していきました。

ニューヨークの大学で学んだファイナンスとマーケティング

ー3年生になっていよいよ留学したレオナルドさんが留学先として派遣されたのが、ニューヨーク州立大学オルバニー校でした。この大学をめざした理由は?

アメリカの映画やドラマを見て、子どもの頃から「人種のるつぼ」と言われていたニューヨークという都市に憧れを抱いていたことが理由でした。自分のような日本ではちょっと変わったルーツを持つ人間が、当たり前のように存在する都市の近くで、しばらくの間、暮らしながら勉強したいと考えたんです。

またもう1つの理由は、「せっかく留学するのだから、可能な限りビジネススクールの評判が高い大学で学びたい」という思いでした。1年生の頃は、心理学や社会学に関心があり、留学先でもそのどちらかを専攻しようと考えていました。ところが2年生の時に関西外大のマーケティングと会計の授業を受け、ビジネスの分野に非常に魅力を覚えたのです。

大学を卒業した後で、就職することを考えても、マーケティングや会計、ファイナンスの知識を身につけておくことは、必ず役立つに違いないと思いました。これらを総合的に考えたところ、「オルバニー校で学べば確実に力が付くだろう」と感じ、留学をめざしました。

ー留学先での生活はいかがだったでしょうか?

ダブル・ディグリー留学の選考をパスし、実際に留学してみると、事前に聞いていた通り、オルバニー校での勉強はハイレベルで、大変でした。毎回の授業を受ける準備だけでも、分厚い教科書の数十ページを読んだり、図書館やインターネットで調べ物をしたり。そして、授業後にはレポートも大量に出題されました。留学していた2年間は、平日はもちろん、土日も朝ごはんを食べ、ジムで運動した後は、夕方までずっと図書館にこもり勉強に励みました。授業のレベルも高かったですが、高校時代に受験勉強に必死に取り組んだ経験が生きて、履修可能な単位をフルでとることができ、良い成績で卒業できたのは、自信になりましたね。

日本企業で自分のキャリアを活かす

ー留学を終え大学を卒業後、サントリーに就職されました。レオナルドさんのキャリアを考えると、外資系企業に行く道もあったのではないかと思うのですが、日本の会社を選んだのはなぜですか?

それも、関西外大の授業がきっかけです。外大でマーケティングの授業を担当されていた先生が、もともとサントリーのOBで、ご自身が携わった商品やマーケティング課題を題材に授業をしていました。その授業がとても面白く、記憶に残っており、アメリカ留学中にたまたまサントリーが海外大卒枠で採用するという情報を知って、応募したのです。

ちょうどその少し前からサントリーは、グローバル展開を本格化させていました。2009年には、フランスやスペインで長年親しまれている清涼飲料の「オランジーナ」を販売する、オランジーナ・シュウェップス社を買収し、2014年にはアメリカのバーボンウイスキー「ジムビーム」で知られるビーム社を買収しています。留学前から、サントリーがグローバルブランドへの成長を目指していること、そして同社が創業以来大切にしている「やってみなはれ」の精神にも共感を覚えていたんです。

ーサントリー初代社長、鳥井信治郎氏の「やってみなはれ」は、たいへん有名ですね。

はい、ここでなら、仕事を通じて大きく成長できるのではないかと思いました。また、サントリーで働くことを決めたのは、留学中の心境の変化も理由としてありました。実は留学前は「卒業したらアメリカの会社で働くことになるだろう」と考えていました。しかし、実際にニューヨークで生活してみると、「もし自分がこのままアメリカ企業で働くことになれば、”One of Them”になってしまうかもしれない。日本企業でこそ、自分の経歴やルーツ、これまで学んできたすべてが生かせるのではないか?」と思ったのです。

サントリーのような日本企業がさらにグローバル市場で戦っていく中で、自分が培ってきた経験は、きっと役立つだろうと思いました。そんな思いで履歴書を送ったところ、2ヶ月後にボストンまで面接に行くことになり、その1ヶ月後には東京で最終面接を受け、働くことが決まったのです。

ファイナンスと広報の仕事を通じて会社全体を知る

ーなるほど、そういう理由だったのですね。入社後は、どんなお仕事をされてきたのでしょうか?

サントリーに入社したのは、2016年の7月です。最初に配属されたのが、サントリーグループ全体の金融取引や市場リスク管理を担当する財務部でした。そこではサントリーが外資企業を買収するためのお金の調達やその利息管理が主な業務となりました。英語ではファイナンスの中でも”Treasury”と呼ばれる職務で、グループ各社へ経営資金を融通したり、グループ全体の資金効率化を推進したりと、会社の「お金」を管理する”Treasurer”として経験を積みました。

その業務を2年半程担当したあとで、異動したのが広報部の社内コミュニケーショングループです。サントリーの『まど』という120年以上の歴史がある社内報を、企画からインタビュー、記事の執筆、校正まで、一から制作する業務に携わりました。社内デジタルメディアも担当し、グループのいろんな部署から寄せられる記事をリライトする中で、サントリーという会社をさらに好きになっていきました。広報部には3年間在籍しましたが、ファイナンスとは違う角度で、会社全体を知ることができたと思います。

また2022年4月からの1年間は、サントリーの「トレーニー制度」を使って、スペイン・マドリッドのグループ会社に派遣されました。トレーニー制度は「専門性の高いグローバルリーダーを育成する」ことを目的に、海外グループ会社で実際の仕事を通じて自分のスキルを高めるというプラグラムで、それに応募して合格すると、1年間海外の支社でOJTに参加できるのです。スペインでは、原材料の調達から、商品の製造や運搬に至るまでサプライチェーン全体のコストを管理する部門でファイナンスの学びに磨きをかけました。
※「On-the-Job Training」の略で、職場での実践を通じて業務知識を身につける研修のこと。

私はスペイン語が話せることもあり、スタッフの一員として現地の社員の方々とより深くコミュニケーションを取ることができ、通常の研修以上のとても良い経験となりました。日本に戻ってきてからは、再び財務部門で働くことを希望し、現在は清涼飲料事業全体の財務をグローバルに見る仕事を担当しています。

語学をツールに使って自分の強みを持とう

ーさまざまな経験を積んできたレオナルドさんは、関西外大が提唱する「語学+α」について、どうお考えでしょうか?

実際にアメリカに留学したり、またスペインで会社研修を受けたり、現在の仕事でも海外とやりとりする中で改めて思うのは、「語学は1つのツールに過ぎない」ということです。社会の中で活躍するには語学に加えて、もう1つ以上の強みがあることが、絶対に必要だと感じています。それが私の場合には、留学で学んだ会計やファイナンスの知識になります。

AIが急速に発達して、スマホひとつでリアルタイムに音声を翻訳できるようになりつつある今、「外大に行って語学を学ぶ意味があるの?」と思う人もいると思います。しかし自分の経験から言えるのは、もし自分が関西外大に入学せず、結果的にニューヨークにも留学していなかったら、絶対にサントリーに入社することはなかっただろうという事実です。

語学を学んだからこそ、ビジネスの学びで定評のあるアメリカの大学でファイナンスやマーケティングを学ぶことができ、多様な考え方を持つ人々に出会うことができました。卒業後も続く、外大と留学先で得た友人や先生たちとの交流も、自分の人生にとって大切な財産です。

日本の大学生の中には、「これといった目的もなく大学に進学して、何となく卒業して、そのまま就職する」という人が少なからずいると思いますが、それに比べて関西外大には、自分の人生に明確な目標を持ち、努力を積み重ねて、夢を叶える人がたくさんいると感じています。これを読む高校生や大学生の皆さんも、ぜひ自分の目標は何なのか考え、それに向かって進んでみてください。たとえ今はなくとも、多様性豊かな外大では素敵な夢を見つけられると思います。そして諦めずに進み続ければ、きっとその夢は現実のものとなるはずです。

MOVIE|いつかキミが世界と日本をつなぐ|バネガスさん編

※記事の内容は取材時点(2024年2月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。