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長塚郁美

客室乗務員からキャリアコーチへ。
関西外大で学んだのは、
自分で人生を切り拓く力。

客室乗務員からキャリアコーチへ。関西外大で学んだのは、自分で人生を切り拓く力。

夢や目標を持つ
何でも挑戦してみる
新たな価値を創る

こんにちは、Take Action!編集部です。本日は本学の卒業生である長塚郁美さんをご紹介します。卒業後、JALの客室乗務員として国内線・国際線を乗務し、現在はフリーランスのキャリアコーチとして活躍する長塚さん。なぜ客室乗務員から現在のキャリアを選んだのか。今も生きている本学での学びは何かを語っていただきました。

日本の魅力を伝えたい思いから客室乗務員の道へ

大学卒業後、JALに就職しておよそ8年間、客室乗務員として勤務しました。国内線、国際線のエコノミークラスからビジネスクラス、ファーストクラスを担当し、最終的にはその責任者まで務めました。

しかし、もともと客室乗務員をめざしていたわけではありません。

きっかけになったのは、3年次にカナダのサスカチュワン大学に留学したこと。そこでさまざまな国籍の学生とコミュニケーションを取る楽しさを知った一方で、あらためて日本の食事やサービスなどのすばらしさに気づき、日本の良さをもっと世界へ広めたいと思いました。また、現地のホストファミリーからすれば、日本も韓国も中国もひとくくりにして「アジア」という感覚。まだまだ伝えられる日本の魅力はあると感じました。客室乗務員はまさに、その国の魅力を伝えられる最初の人、入口になれる存在です。もともと私は接客が好きで、コミュニケーションも好き。自分の好きなことややりたいことを叶えられる職業が、結果として客室乗務員だったのです。

コロナ禍での出向がターニングポイントに

転機になったのは、2020年のコロナ禍です。国内線、国際線ともにフライトがなくなり、客室乗務員としての仕事がなくなるだけでなく、お給料は下がり、昇格も延期になってしまいました。そのとき私は、心のなかで会社を責めました。しかし、気づいたのです。それは会社のせいではなく、自分のせいだということに。もし自分に生計を立てられる能力があれば、きっと、経済的な不安を抱えることもなく、メンタルが不安定になることもなかったからです。

では、どうすれば楽しく働けるのだろうと思いを巡らせているとき、京セラのグループ企業で人材育成に携わる出向の募集があることを知り、手を挙げることにしました。その決断が、後の私のキャリアを方向づけることになります。出向先での役割はJALの仲間とキャリア研修を企画し、実施すること。京セラグループのフィロソフィーに基づく人材を育てるためには何が必要か。目的を共有し、数ヶ月かけて企画を練り、実行していくそのプロセスに大きなやりがいを感じたほか、研修に参加された方の変化に喜びを感じました。また、その時期に並行してオンラインでコーチングを学び始めたことも現在のキャリアにつながっています。

出向中の経験は、2022年にコロナ禍が明けてJALに戻ったときも自分のなかで大きなウェイトを占めるまでになっていました。ホスピタリティの瞬発力が求められる客室乗務員に魅力を感じる一方で、企画や人にじっくりと関わる仕事をしたいと思い、2023年末に退職をすることを決めました。

関西外大で学んだこと、それは“一歩を踏み出す勇気”

現在はフリーランスのキャリアコーチとして、その人の価値観を大切にしながらより良いキャリアや働き方の実現をサポートしています。私が関わることで人が活き活きと変わっていく様子を目の当たりにできることが、この仕事のやりがいです。何をするにも一歩を踏み出せなかった方が、自分と向き合い、心から自分のやりたいことに向き合えるようになった結果、前向きな行動に没頭するようになった方もいます。人生そのものに関わっているという手ごたえを感じています。

客室乗務員への就職も、出向も、フリーランスとして活動するという決断も。支えになっているのは関西外大での学びです。一例を挙げるなら、在学中に友達の勧めでチャレンジを決めたオールイングリッシュの授業。チャレンジする前はその授業で学ぶ先輩たちが自分には手の届かない存在に思えましたが、飛び込んでみると、意外にも通用する自分に気づくことができたのです。その成功体験が、チャレンジに拍車をかけました。 オールイングリッシュの授業だけではありません。関西外大には、留学や選択科目も含めて、踏み出す勇気さえあれば、どんなことにもチャレンジできる環境があります。多様性を認める国際的な感覚を持った人が多いので、どんな自分も受け入れてくれるという安心感がありました。実際、はじめは知り合いがいないような授業でも、すぐに打ち解けられたことを覚えています。また、留学の有無にかかわらず、さまざまな国籍の方と接する機会が豊富なことも、社会に出てあらためて感じる関西外大の魅力です。4年間、そんな環境で学べたおかげで誰かと比べることなく「自分はどうか」と考えられるようになったと感じています。

受験生の皆さんへ先輩からアドバイス

生きたい人生を生きるために必要な3つのこと

この記事をご覧いただいている皆さんに私から3つ、自分の生きたい人生を生きるためのアドバイスをおくります。

1. 目的を持つ

まずは、何事にも目的意識を持ち「なぜやるのか」を考えることが重要です。目的を持つことで、そこから逆算して達成するための行動を考えられるようになるからです。もともと私自身が目的を持たないと力を発揮できないタイプです。進学校へ通っていた高校時代。まわりが自然と国公立大学をめざすなかで私は「なぜ国公立をめざさなければいけないのだろう」と疑問を抱えていました。そこから「なぜやるのか」を考えはじめ、英語が好きで得意だったこともあり「モチベーション高く英語を学び続けるため」という目的を掲げたことで関西外大と出逢えたのです。それ以降の行動もすべて「自分がなぜやるのか」が起点になっています。

2. 挑戦する勇気

二つ目は、やってみたいと思ったことは、ためらうことなくチャレンジすること。やる前は高い壁に見えていたことが、やってみたら意外と乗り越えることができて、新たな世界が広がっていく。その連続が人生をつくります。やれば、なんだってできます。自分の可能性を信じて、チャレンジしてください。

3. 感情に向き合う

最後は、自分の感情としっかり向き合うことです。嬉しい。楽しい。悲しい。腹が立つ。どの感情も大切です。心が動いたということは、そこにあなたが大切にしている価値観があるからです。感情が自分を教えてくれます。その価値観が仕事や人生の軸になります。他の誰でもない、自分の感情とていねいに向き合っていってください。

仕事を楽しめる人を増やし、皆が心に余裕のある社会にしたい

これからは、もっと人に影響を与えられる人になりたいです。コーチングという手法は、自分との対話に活用できます。こうするべき、こうしなければいけないという軸ではなく、自分が何をしたいかという軸で物事を選べるようになっていきます。これからコーチを育てるオンラインの講座もはじめる予定です。私ひとりだけでは、コーチングの良さや手法を伝えていくには限界があると思うからです。

コーチングという手法が広まり、みんなが生きたい人生を生きられるようになったら、もっとハッピーな世の中になると思いませんか。海外でよく見かける、すれ違う人に「あなたのスカーフ素敵ね」と声をかけられるような、心に余裕のある社会が私の理想です。 今の環境になんらかの不満を持ちながら留まっているのだとしたら、その環境を自分で選んでいるということ。しかし、気づいていないだけで、実は選択肢は無限にあります。その選択肢の中から誰もが自分の生きたい人生を自分で選べるようになったら、もっと余裕のある社会になるはずです。誰よりも自分自身がそれを体現しながら、その社会の実現に少しでも貢献していけたらと考えています。

※この記事の内容は取材時点(2024年3月)のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。