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急成長するアジアと正面から向き合いながら、
海外営業としてのスキルを伸ばしている

急成長するアジアと正面から向き合いながら、海外営業としてのスキルを伸ばしている

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こんにちは、Take Action!編集部です。この記事では2022年に関西外大を卒業し、世界100ヶ国以上にネットワークを持つグローバル企業、イシダで勤務する前原淳樹さんをご紹介します。英語で学んだプレゼンテーションや、たくさんの留学生とわかり合えた「結」での暮らし。関西外大での学びのすべてが現在の仕事の基礎となっているという前原さんに、詳しいお話をうかがいました。

世界を牽引するアジアでのビジネスを体感している

私はいま海外営業として、アジア圏を担当しています。関西外大で英語を学び始めたころから海外で働きたいと考えていました。しかし、その頃にイメージしていたのはアメリカやヨーロッパなどの英語を母国語とする国での仕事でした。しかし、実際にアジア圏の担当として働き始めて驚いたのは、世界中がアジアに注目しているという事実でした。すでに中国が世界で圧倒的な存在感を見せていることはみなさんも周知の事実でしょう。しかし、それ以外のアジア諸国も急激な成長を遂げており、世界の経済成長における70%がアジア諸国によるものになっているのです。ベトナムはアジアの中でも特に勢いよく経済成長を遂げており、インドはIT大国となり2027年にはGDPで日本を抜いて世界第三位になるという予測もあるほどです。その他の国々も豊富な労働力を活かして、海外企業を続々と受け入れるなど活況を呈しています。 実際に現地に足を運ぶとわかりますが、若い人たちが街中を闊歩し、高齢化する日本と比較して明るい活気を感じることができます。街並みも混沌として見えますが、それが逆にこれからの成長を感じさせてくれます。私はそんな日本との違いに世界の広さを感じ、アジアを舞台にしたビジネスに携わっていることに醍醐味と可能性を感じています。

グローバル企業で働くことで世界の変化を知ることができる

私が海外営業として具体的にどんな仕事をしているのか。もう少し詳しくお話しさせてください。現在、私は京都に本社を持つ株式会社イシダという会社で勤務しています。「はかりのイシダ」と言えば、業界では知らない人はいない存在。私自身は就活をしているときに初めて社名を知ったのですが、私の両親や祖父母は「イシダなら安心だ」と言ってくれるほど歴史ある企業でした。「はかりのイシダ」と一言で言っても、実は最先端のテクノロジーで世の中の食品メーカーや流通を支える自動化の事業を行っています。身近なところでは、スーパーマーケットやコンビニの商品管理システムや計量包装機器などでも高いシェアを誇っています。自動計量を中心とした高品質な技術と、高度なソリューションは、食品、物流、医薬品など、みなさんの日々の生活に欠かすことの出来ない分野でも高い評価を受けています。

さらに、その技術力、提案力は世界100以上の国々をつなぐグローバルネットワークとなり、アメリカ、ヨーロッパ、アジアへと広がっています。そのなかで私が担当するアジア圏は、先ほどもご紹介したとおり急激な成長を続けています。現地の企業や日系企業が、スーパーなどを出店する際に、イシダの自動計量包装値付け機やラベルプリンタなどの製品を使いたいという打診が現地の拠点に入ります。そこから、京都本社の私たちに連絡があり商談が始まるのです。どのような課題があって我々はどんなことができるかを提案にまとめていきます。仕事でのやり取りは主に英語。メールや電話、ときには現地に出張して、相手の要望をしっかりと聞き、こちらの製品のメリットを確実に伝えることを意識しています。

英語で学んだプレゼンテーションが仕事に直結している

私は関西外大の英語キャリア学科で学びましたが、あの4年間の学びがダイレクトに今の仕事を支えてくれていると感じています。私にとって英語は大切なツールです。英語というツールがあることで、国境を越えて人とコミュニケーションをしたり、一緒にビジネスを進めたりすることができる。そう考えると、関西外大の英語で専門分野を学ぶというスタイルは私にピッタリだったのだと思います。例えば、英語でプレゼンテーションをするために、PowerPointで資料を作り、先生や仲間に自分の意見や考えを伝えていくという授業は、現在の私の仕事にそのまま生かされています。

海外営業は一人でできる仕事ではありません。社内の各部署の担当者や、現地の代理店の人たち、そして、現地のエンドユーザー。いろんな国のさまざまな立場の人が一つのプロジェクトを進めていくためには、しっかりとした目的やゴールを持ち、たがいに協力する必要があります。特にアジアの人たちにとって英語は母国語ではないことがほとんど。しかも、それぞれに価値観も違うことから、最初にきちんと意思疎通をしておくことがとても重要なのです。そんなとき、私は関西外大での授業を思い出して、できるだけ可視化できる図などを加えたわかりやすい資料を作り、要点を伝えられるように心がけています。

「結」での暮らしで、価値観の違いを恐れなくなった

関西外大で過ごした4年間のなかでも、「結」の経験は特別なものだったと思います。関西外大にはたくさんの留学生がいましたが、そんな留学生と一緒に学び暮らす場所が「結」でした。私はRAとして「結」の運営にも参加していました。たくさんの留学生が集まり、みんなで共同生活をするということは、一つの場所に様々な価値観が持ち込まれるということを意味します。生活の時間帯や人との距離感。そんな何気ない価値観が少しずつ違うだけで、小さなトラブルになることだってあります。でも、私が「結」で学ぶことができたのは、話すことでわかり合える、ということでした。私自身、まず相手の懐に飛び込んで話を聞き、こちらの意見もしっかりと伝えることで、人はわかり合えるのだ、ということを体験として知ることができました。

現在の仕事でも自分にメリットがなければ返事を返してくれない現地の人がいたりと、文化の違いに戸惑うこともあります。しかし、「結」での経験を活かして、価値観の違いを拒絶したり、諦めたりするのではなく、受け入れることで課題を解決することができています。「結」での経験は、私の現在の仕事の基礎をつくる貴重なものだったのだと改めて感じています。

コミュニケーションという体幹を鍛えていく

海外営業という仕事についたときに先輩から「この仕事はアスリート並みの仕事だぞ」と言われたことを思い出します。最初は文字通り体力を使う仕事なのかな、と理解していましたがそうではありませんでした。取引先の現地に行ってそこの空気を吸い、その国の礼儀やマナーを理解しながら一緒に現地の食事を楽しみ、おたがいに母国語ではない言葉で会話し、わかりあい、笑い、握手をする。つまり、自分の五感を研ぎ澄まし、フルに活用することで、自分の能力のすべてを問われる仕事だということを先輩なりの言葉で教えてくれたのです。

海外営業の仕事のなかには海外からのお客様をアテンドするという仕事もあります。最新機器を見ていただいたり、納入に先だって研修を行ったり。このとき感じるのはビジネスのスタイルやメンタリティの違いです。研修内容に関しても、その場で理解していれば、「わかった」と言いますし、翌日覚えていなければ「わからない」と正直です。だからこそ、日本人のメンタリティやお客様の出身国のメンタリティを考慮して、たがいの理解が深められるように努力しています。

例えば、お客様が抱えている課題を解決するには、その本質を理解する力が求められます。会社に蓄積されたリソースと私自身の知識と経験を最大限に活かしていかなければなりません。もし、自分に知識や経験が不足していると感じたときには躊躇せずに、工場に行って実際のマシンを見て勉強し、先輩たちに意見を求めるなど、課題を乗り越えるフットワークも求められます。

このことが先輩の話していた、「アスリートのような仕事」という言葉の意味なのだと理解しています。そうだとすれば、私にとって日々の仕事は「コミュニケーションという体幹」を鍛えることなのかもしれません。もちろん、そんな個人の努力とともに共に働く仲間のチームワークも必要です。互いのスキルや知識を共有するために、私たちは定期的に勉強会を行ってスキルの向上にも取り組んでいます。

その他に気をつけているのは体調の管理。アジアといえ時差もあるので、自分自身の体調を整えておく必要もあります。日本とは異なる天候や食文化の中でも体調を崩すことなく、しっかりとビジネスに取り組めるように、食事にも気をつけ、日本にいるときにはジムにも通っています。

日本らしさを大切にしながら世界で活躍したい

イシダで海外営業を始めてから、私の中には日本人であるというアイデンティティと、イシダという企業の社員であるというアイデンティティが生まれ、さらに、アジアを担当することで、私自身がアジアの一員であるという感覚が芽生えています。近い将来、私は海外への駐在を希望しているのですが、最初の赴任地はアジアがいいと思うようになりました。日本と政治面でも経済面でも密接な関係にある東アジアや平均年齢が若く活気のある東南アジアでのビジネスに非常に興味があり、入社から2年間担当したアジアというエリアをもっと知りたいと感じています。

アジアの国にもこの2年で仲の良い人たちができ、私がもともと持っていた旺盛な好奇心が刺激されているのかもしれません。アジアには日系企業の素晴らしさに気付いてくれる人も多く、気持ちが通じたと感じた瞬間は本当に嬉しくなります。そして、少しずつ増えてきたアジアの仲間たちと一緒に、自分の仕事が世界へと広がっていく感覚を実感しています。彼らと通訳なしでコミュニケーションできるように、最近は中国語のレッスンも始めています。それは日本らしいメンタリティでグローバルに活躍したいという私自身の成長の証であると同時に日本と世界を股にかけて仕事ができる海外営業職の面白さとやりがいであるのかもしれません。