KANSAI GAIDAI UNIVERSITY VISION

Vision / Mid-term Strategies 関西外国語大学 ビジョン・中期計画

策定の経緯および趣旨

 本学では、2009年に 「関西外大ルネサンス2009」を策定し、かつての西欧のルネサンスに倣い、清新で闊達な機運に満ちた大学づくりをめざしてきた。構想の中核として「外大ビジョン・6つの柱」を据え、建学の理念を現代的視点から再解釈して具体的に明示し、課題と目標を示した。このビジョンにのっとり、「英語キャリア学部」新設、「英語キャリア学科小学校教員コース」開設、国際言語学部を全面改組し学研都市キャンパスに「英語国際学部」設置、また施設面では「ICC(インターナショナル・コミュニケーション・センター)」および7号館(1階・地階にキャリアセンター)竣工など、種々の政策を推進した。また、本学創立70周年記念事業の一環として、2015年からキャンパス構想を進め、2018年4月には、御殿山キャンパス・グローバルタウンを開設するなど、多くの成果を残した。
この「関西外大ルネサンス2009」を受け継ぎ、次代に向けさらに発展させるために、本学創立80周年(2025年)、さらには、10年後の2030年を視野に入れ、新たに「関西外国語大学ビジョン・中期計画」を策定した。文部科学省中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」にも記されているとおり、18歳人口は現在の120万人から88万人へと大幅に減少し、少子高齢社会がますます加速する。また、AI、ビッグデータを駆使したICT社会、問題解決と未来創造の視点を兼ね備えた新たな成長モデルであるSociety5.0などの社会背景により、高等教育を取り巻く環境がますます厳しくなる。
今回の「関西外国語大学ビジョン・中期計画」策定は、このような厳しい状況に鑑みて、本学の特性を活かした<「突き抜けた」次の一手>、<一線を画したブランド力>、<「オールKansaigaidai」を徹底推進する組織マネジメント力>を探求し、新たな躍進を図るものである。

Kansaigaidai University
への進化

 外国語大学からの脱却。本学が特に意識するグローバル人材(※)、すなわち、国内のみならず海外でも活躍できる高度国際職業人を育成するために、幅広いリベラルアーツ教育を重点化する。
今後は、総合大学、他外国語大学と一線を画すUniversityへと変貌する。時代と社会の要請に応えていく実学教育の実践拠点とし、地球規模で起こる社会変革・多様化に即した社会創造の旗手としての機能・役割を追究する。
※高度な語学力を有し、異なる国や文化、民族、歴史、宗教への洞察力と、異なる価値観への寛容さを持ち、客観的・論理的思考力を身につけ、「コミュニケーション」「ネゴシエーション」「ファシリテーション」の力を持った人材。

どこででも生きていける
“逞しく品格ある人物”の育成

 ICTなどの技術革新により、情報は瞬時に世界を駆け巡り、世界はより身近になっている。こうした情報社会において、政治、経済をはじめとし、企業の活動など、あらゆる分野において、自国で完結できることは、皆無と言ってよいほどである。世界中で対立や争いが絶えずある中、各国・国民は、ますます緊密な関係を保ちながら、バランスに配慮した判断に基づき、共存する道を探ることになる。
本学は、世界のこのような複雑な状況下において、どのような環境でも生き抜く力を擁し、語学力修得の上にグローバル力を培った「逞しく品格ある人物」を世に送る努力を重ねる。言葉を換えれば、建学の理念で謳っているとおり、実学を身につけ、自律して、どこででも生きていく智慧をもった「逞しさ」、グローバルに通用する豊かな教養をそなえた「品格」ある人物を育てる。

学生の個性を活かすオンリーワンの
国際教育と多様な留学

 本学の国際交流は、欧米を中心とする海外協定大学の拡充、多彩な留学プログラムの増設などにより、先進的な役割を果たしてきた。専門留学、2カ国留学、語学&インターンシップ留学など、学部の教育目的に沿った留学ができるよう、他大学に類がない高度なプログラムを準備している。
これらのプログラムをさらに有効に機能させ、オンリーワンの国際教育、さまざまな国際交流を通じて真の国際人を育成する。単位取得を伴う質の高い留学は、本学が長年にわたり培ってきた成果であり、質・量ともに他校の追随を許さない、ますます強固なものとしつつ、専門分野を英語で学ぶ留学を可能にするSuper IESプログラムをはじめ、多様な学生それぞれが自身の目的に合った留学ができるようなシステムを検討していく。併せて、留学前、留学中、留学後の教育、支援を充実させるとともに、御殿山キャンパス・グローバルタウンに新設された「GLOBAL COMMONS 結 -YUI-」を活用した「学・食・住」環境における学内留学教育を提供する。

「オールKansaigaidai」という
考え方を徹底した組織運営

 本学が力強く発展してきた源泉は、トップのリーダーシップ、それに基づく意思決定の速さ、および、教職員の献身的でひたむきな業務姿勢である。これをさらに発展させるために、「トップのリーダーシップの強さ」と、それを支える「組織性」があいまった、将来に向けて継続性のある、「しなやかで品格ある組織」をめざす。
経営部門と教学部門の協力態勢のもとに、各学部・学科、大学院、および短期大学部が、個々の魅力、良さをおおいに活かしていきながらも、「オールKansaigaidai」として「チームとしての強さ」を発揮していく。事務組織についても、縦割りの部分最適に陥らず、各部署が、自律しながらも、常に全学としてのあり方を意識して、「全体最適」を徹底する。そのために、事務職員の業務遂行に必要な総合的行政能力を高める。
もっとも重要なことは、学生からの視線を大切にすることである。あらゆる事柄に対し、学生への支援が行き届くように一層努力する。文部科学省中央教育審議会答申「2040年に向けた高等教育のグランドデザイン」にあるように、18歳人口が、現在の120万人から、2040年には88万人(現在規模の74%)へと大きく減少し、高等教育を取り巻く環境がますます厳しくなる中、学生から「選ばれる大学」であり続け、社会からも高い評価を得ることができるよう、さらに発展させる。

社会貢献・連携

 「大阪・関西万博」、「関西IR」などにより、大阪を中心とする関西圏は、世界的な注目を集めている。こうした中、本学は、グローバル人材として将来を担うことが可能な受け入れ留学生・在学生などの人的資源や、教育研究資源を有効活用し、関西、ひいては日本の国際的プレゼンスの向上に寄与していく。
企業や近隣の教育委員会等と連携し、地元をはじめとして広く社会に貢献する。特に、企業の内なる側からの国際化、地域の国際化といった側面において、本学と対象組織間での人的協力、企業および初等・中等教育現場における海外留学生、在学生のインターンシップ派遣、地域住民に対して各種催しの公開等を積極的に展開していくことにより、先導的役割を果たしていく。