関西外大では、コロナ禍で一時中断となっていた留学派遣を2022年春より段階的に再開。
その2022年春派遣で留学を果たした長野 陽美輝さんのインタビューをお届けします!
学生プロフィール&留学概要

学生プロフィール
長野 陽美輝さん(外国語学部 英米語学科4年)
鹿児島県立鹿児島中央高等学校出身
留学の概要はこちら。
- 留学区分 リベラルアーツ留学(サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム)
- 留学先 ウィスコンシン大学スタウト校(アメリカ)
- 留学期間 2022年1月~2022年5月
コロナ禍で留学を実現するまでの経緯について

CAをめざして関西外大に入学した長野さんだったが、当初留学に対する意識は高くはなかった。

ただ、1年次にSurper IES プログラムを受講し、周りの留学志望の学生たちと学びを深めていくうちに、私自身も前向きに留学を考えるようになりました。
順調にいけば2年次の秋学期にリベラルアーツ留学に行く予定だったが、コロナ禍となり延期となる。
※リベラルアーツ留学について以下の記事をご参照ください。

サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラムに参加

留学が延期となり、日本で何かできることがないかと探していたときに見つけたのがサービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム=HMP(Hospitality Management Prgoram)で、2年次の秋学期から3年次の春学期にかけて受講する。

CA志望ですがホテル業界にも興味があったので、HMPを受講することで英語力とともに好きな分野も学べると思い、同プログラムを履修しました。
HMPの授業の一環として、香港理工大学のオンライン留学プログラムを受講。
海外の学生や社会人の方といっしょに、ラグジュアリーホテルの経営について広く学んだ。

ホスピタリティに対しての知見が広がったのはもちろん、ビデオプレゼンテーションの課題では、情報のリサーチから動画の自撮り、編集までを学べ、今後に生かせるスキルを身につけることができました。

アリゾナ州立大学でのオンライン留学プログラムに参加
続く3年次の秋学期は、リベラルアーツ留学(サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム)に参加する予定だったが、こちらも新型コロナウィルスの影響で延期に。
国際交流部に相談し、いくつか紹介されたオンライン留学プログラムのうち、「Communication & negotiation」をテーマにしていたアリゾナ州立大学のプログラムに参加した。
具体的には、
- 交渉の仕方
- 異文化交流の中でのコミュニケーションの仕方
といったことを学んだ。

予定していたリベラルアーツ留学の履修内容に比較的近い内容だったので、同大学のプログラムを選びました。幅広くコミュニケーションやネゴシエーションについて学べたのはよかったです。
一方で、オンラインではなく実際の留学に行きたいという思いは継続して持ち続け、
留学派遣が再開された2022年春、満を持してリベラルアーツ留学(サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラム)に参加した。
ウィスコンシン大学(アメリカ)にリベラルアーツ留学

日本とアメリカのホスピタリティー産業の組織構造やおもてなしの相違点を学ぶとともに、異文化理解・コミュニケーション力をつけることが長野さんの留学の目的だった。
現地では以下の4教科を履修する。
- Hospitality Employee Relations
- Lodging Systems
- Fundamentals of Speech
- Management Ethics
上2つの授業がメインとなるホテル関係の科目で、ホスピタリティ業界で働いている人たちのコミュニケーションあり方や、ホテルの組織構造(フランチャイズや個人経営など)をはじめホテル運営の仕組みなどについて学んだ。

講師は、今現在ホテルで働かれているゲストスピーカーの方々。現場の“実際”をリアルに学ぶことができたのも魅力でした。
また「Fundamentals of Speech」ではプレゼンテーションを通じて、スピーチのスキルを磨き、「Management Ethics」は経営の倫理について学んだ。
留学前準備教育のおかげで現地でのディスカッションにも対応できた

――もっとも印象に残っている授業は?

大変だったという意味で、経営理論を学ぶ「Management Ethics」が印象に残っています。ディスカッションが中心で、取り扱うテーマがアメリカの政治のことや地元ウィスコンシンのトピックスだったりしたので、内容を把握するのに苦労しました。
――それを克服するために取り組んだことは?

複数の授業で同じクラスだった現地学生といっしょにランチを取り、内容の確認やわからなかったポイントを教わったりして、理解を深めるよう努めました。
――関西外大のSurper IES プログラムでもディスカッションをする機会は多かったと思いますが役立ちましたか。

はい。ただ、英語オンリーの授業でも外大では日本の話題が多かったので、現地のトピックスを理解するところが難しかったです。
でも、外大でSurper IES プログラムやHMPを受講していたから英語で苦労することはなかったし、現地学生とのディスカッションにも対応できたと思います。
――留学で一番成長したと思うところは?

英語力やホスピタリティ業界の知識などはもちろん、出国する前からの行動も含め、「コロナ禍で環境が変わっても臨機応変に行動できる対応力」が身に付いたと思います。
旅行や課外の英語学習なども充実

コロナ禍による留学延期の影響を受け、3年次の1月に渡航した長野さん。
今回のリベラルアーツ留学(HMP)の期間は1学期間で、学期終了後の期間(6~8月)に海外インターンシップの参加を推奨されていたが、就職活動のため帰国を選択する。
通常のリベラルアーツ留学に比べると留学期間は短く、それだけに一日、一日を大切に、全力で取り組むことを心がけたという。

例えば、大学のホームページなどをチェックし、参加できそうなイベントがあれば、必ずエントリーするようにしていました!
事例をいくつか挙げると、
- アウトドア・サークル主催のスキー旅行
- 留学生向けのインターナショナルサークル主催の交流イベント
- 2週に1回、日曜日に留学先大学近くのカフェで開催されていた英会話練習クラス
などに参加した。


日本だと、経験のないスキーに一人で参加するようなタイプではないのですが、留学中の貴重な体験ということで積極的にチャレンジしました。
また、休暇を利用して、カリフォルニア旅行を実現し、本場のディズニーランドも体験することができた。
その際にも限られた時間のなかでいかに目的地を効率よくまわるかなど、すべて自分たちで考え、自発的に行動し、充実した旅行を実現できたことは何よりの楽しい思い出になるとともに、自信にもなったという。

現地学生と同じクラスで専門分野で学べたことや積極的に参加した課外活動、そして休日のレジャーと、4カ月弱の短い期間でしたが留学期間は毎日が充実していました。
留学中に並行して取り組んだ就職活動

1つ上の段落でも紹介したように、長野さんが留学したのが3年次の1月。
就職活動が3年次の3月に解禁ということで、留学と並行してオンラインでの企業説明会や面接にも参加した(週に2、3回)。

現地の夜の時間帯が日本の日中だったので、夜にオンラインでセミナーや面接に取り組んでいました。
――大変そうですけど、海外の大学は授業の課題も多くなかったですか?

すごく多かったです(笑)。留学中で一番大変だったのが、就職活動との両立でした。
――4年次に留学に行くケースは多くはないと思いますが、留学+就活の同時進行もコロナ禍ならではですね。課題をこなすに当たって、工夫したことはありますか?

どの科目も大量の資料を読み込まなければならず、最初の頃は一字一句丁寧に中身を追っていましたが、就活もあって時間が全然足りなかったので、太字になっている周りを中心に読み込むなど要領よくこなす方法を自分なりに工夫しました。
――そして帰国後に、本格的に就職活動を始められたわけですね。

はい。ホテルの運営会社2社に内定をいただき、そのうちの一社にお世話になることになりました。

――その進路選択には、サービス・ホスピタリティ業界のリーダー育成プログラムを受講したことも影響していますか。

そうですね。授業はもちろん、実際のホテルでの研修にも参加し、仕事自体おもしろかったので興味を持ちました。お客様とのコミュニケーションが楽しく、いずれの道に進むにしても関西外大で培った英語力を活かせればと思います。
留学に関するQ&A

――留学前の語学力は?

大学入学時は簡単な英会話くらいで、Surper IES プログラムなどを通してリスニング力やスピーキング力が伸びました。
現地でも英語に関しては問題なく対応できましたが、当初は付いていけるか心配だったので、最初の授業のときに、教授に留学生であることとサポートが必要かもしれないという旨を伝えました。
――留学奨学金は活用されましたか?

フルスカラシップを利用しました。1年次にTOEFLが530点以上ないとダメなんですけど、12月のテストでなんとか目標のスコアに達することができました。
留学奨学金「フルスカラシップ」については、こちらの記事をご参照ください。

――留学前準備教育の一環として、TOEFLの勉強もがんばれた感じなんですね。

そうですね、TOEFL対策のための勉強というより、日々の授業やSurper IES プログラムの内容に真面目に取り組むことで、自然と英語力が向上し、結果的にTOEFLのスコアも伸びた感じです。
――現地での生活の様子を教えてください。

学生寮に入り、アメリカ人の学生3人といっしょに生活していました。寮内でのイベントがあったほか、ルームメイトの友だちが部屋に遊びに来たり、数多くの学生と交流できたのがよかったです。
食事は学食を利用し、学生証にチャージしたお金で食堂で食事を買うミールプランを利用。ちなみに、フルスカラシップだと食費も全額支給されるので、すごく助かりました。
――留学してよかったなと思うことは?

文化の違いを知るだけでなく、日本の魅力や安全さ、平和さ、清潔さを再確認できたこと。多国籍の友だちができ、考え方や価値観の新たな発見があるとともに、日本について「日本人としてもっと知らないといけないこと」(例えば、日本の政治や経済のことなど)がたくさんあると気づくことができました。
さいごに

帰国後は、1年次より続けているオープンキャンパススタッフの活動をはじめ、今後は国際交流部が主催する海外からの留学生をサポートするアルバイトにも参加してみたいという長野さん。

今秋(2022)には留学の受け入れも再開され、約560人の留学生たちが関西外大にやってきます。これまでコロナ禍でいろいろな制限がありましたが、「日本にいながら海外の大学のようにさまざまな国籍の学生と交流できる」そんな外大ならではのことにチャレンジしてみたいと思いました。
留学中、限られた時間を最大限に有効活用しようと、決断力が早くなり、とりあえずやってみよう精神が芽生え始めた。さらには、教室での勉強だけが学べる場ではないと感じるようになった(例えば、旅行や友人との遊びの場でも学びがあるなど)。
そんな留学で培われたマインドは帰国後も活かされているようで、

残り約半年となった関西外大での学生生活ですが、最後までいろいろなことに全力で取り組んでいければと思います!
と最後に力強く語ってくれました。