
高校生のみなさんこんにちは。Take Action!編集部です。関西外大には、世界55ヶ国・地域の協定校ネットワークを生かした多彩な留学プログラムがあります。そのうちの一つ「リベラルアーツ留学」で1年間アメリカに留学した宮口桃佳さん(外国語学部 英米語学科/広島県立福山明王台高校出身)に話を聞きました。
エアライン業界に憧れて、CA採用数全国トップクラスの関西外大へ。
―宮口さんは、どうして関西外大に入学を決めましたか?
私は小学生のときからずっとエアライン業界に憧れていました。高校2年生の進路相談でそのことを担任の先生に話したら、「それならCAをめざしてみたら」と言われて、そこからCAをめざすようになりました。
CAに憧れたのも、仕事を通じていろんな国の人とコミュニケーションをとったり、おもてなしをしたりすることって素敵だなと感じたからです。特に日本のCAの方々はホスピタリティが高いイメージがあるので、そういう人になりたいなと思いました。そして日本でCAを多く輩出している関西外大を選びました。
「ホスピタリティ」の授業で目覚めた、ビジネスの面白さ。
―入学からずっとCAを目標に頑張っているのですね?
それが2年生のときに受けた「ホスピタリティ」の授業をきっかけに、ビジネスに興味を持つようになりました。
いろいろな事例を通じて、「どうすればホスピタリティを発揮できるか」「そもそもホスピタリティとは何か」について学びます。取り上げる事例の中には、エアライン業界のことだけではでなく、ビジネスの分野も出てきます。例えば、あるメーカーの営業の人がホスピタリティを発揮したことで商品をたくさん売った話や、トランプ元大統領が実業家時代にどのようにトランプタワーを売ったのかなど。その話を聞いて、ビジネスの世界でもホスピタリティを活かす場面があることに驚き、興味がビジネスの分野に広がっていきました。
そこから、もっと本格的にビジネスを学んでみようと「マーケティング」の授業も受けてみたら、面白くて。高校生の頃は、「ビジネス=堅苦しい・難しい」というイメージが強く、まったく興味がなかったのに、今ではすっかり夢中です。
「英語で学ぶ」を前提としたプログラムで万全の留学準備。
―「リベラルアーツ留学」を選んだ理由はなにですか?
「英語で」学ぶというコンセプトが魅力だと感じたからです。「リベラルアーツ留学」は、マーケティングや経営学を専攻する、現地の学生と同じ授業を取ることができるという点で、ビジネスに興味を持ち始めたばかりの自分にピッタリだと思いました。
―留学について不安はありませんでしたか?
留学を決めた当初は正直不安もありました。でも、関西外大には「Super IESプログラム」というオールイングリッシュの授業があり、英語での論文の書き方や、ディスカッションでの発言方法についてかなり鍛えられたので、少しずつ自信がついていきました。
英語力も上がって、2022年1月、準備万端でビジネスの本場アメリカに渡りました。

「リベラルアーツ留学」とは?
留学先の学生と一緒に教養科目(=リベラルアーツ)の授業を受講し、本学で学んだ知識を海外の大学で深めるのが「リベラルアーツ留学」。わかりやすく言うと「英語を」学ぶのではなく「英語で」幅広い専門・教養科目を学ぶ留学です。期間は1年間。現地で履修できる科目は、ビジネスや国際関係論、社会学などさまざまです。
勉強にプライベートに、充実の11ヶ月間。
―留学先ではどのような生活を送りましたか?
私が留学したディポール大学は、アメリカで3番目の大都市シカゴにあります。授業は月曜日から木曜日までで、1日2コマくらい。授業後は、課題を終わらせるために図書館で勉強したり、課題が少ない日は友達とご飯を食べに行ったりして過ごしました。少しでも早く英語に慣れるために、週末は積極的に友だちと出かけるように心がけていました。
―訪れた場所で、一番の思い出に残っているのはどこですか?
場所というより、シカゴで毎年3月16日に開かれる「セント・パトリックス・デー」という祭りですね。その日はシカゴリ川が緑に染まり、町中で大きなパレードがあるんです。3月といえどもシカゴの気温は-12℃で凍える寒さでしたが熱気があって、あの規模感と盛り上がりはアメリカならではだなと感じました。
―授業はどういう内容でしたか?
プロジェクト型の実践的な学びが中心でした。学生の自主性が求められる場面が多くて、学んだ知識をもとに自分たちでビジネスプランを作ってみたり、企業の課題を解決するマーケティング企画を実際の企業を相手にプレゼンテーションしたり、自分から行動を起こすことで知識を修得します。大変でしたが、どれも身に付く授業ばかりでした。

プロジェクトを通じて見つけた、自分の強み。
―一番思い出に残っている授業について具体的に教えてください。
思い出に残っているのは、「起業入門」という授業ですね。5人1組のグループに分かれて、起業するためのビジネスアイデアをゼロから生み出し、プレゼンテーションをするという内容です。
ビジネスを成功させるために、まだ世の中にない製品やサービスを考えて、どこにオフィスを構え、どういう人向けに、どのようなキャッチフレーズで売り出すか、5年後にはどれほどの利益を生み出しているかなど、具体的なビジネスプランが求められます。 私たちのグループでは、雪国で暮らす人をターゲットに、スキー場でも街中でも使えるスノーブーツを提案しました。
―どうしてこの授業が思い出に残りましたか?
自分の強みを発見できたからですね。チームのメンバーは私以外全員アメリカ人だったのですが、文化の違いもあり、最初のうちは5人とも意見が異なることも多く、教授が求めている回答とは違う方向に向かって話し合いが進んでしまうことが何度もありました。もちろん私の意見もなかなか聞いてもらえませんでした。
私は、教授の話をすべてメモにとり、議論のポイントを整理した上で「教授はこう言っていたよ」と示しながら、議論を1つひとつ前に進める役割を担いました。そうすると「わからないことは、桃佳に教えてもらおう」と信頼してもらえるようになりました。几帳面さが私の強みなのだと気付き、自信になりました。

「So What!」の精神で、自分の殻を突き破れた
―ビジネスの知識のほかに、留学を通じて得たことは何ですか?
人に頼れるようになりました。実は留学当初、なかなか発言することができませんでした。現地の人たちは早口でスラングを使うので、思うように聞き取れず、何を言っているかわからないから話せない。「今何て言ったの?」と聞ければ良いのですが、迷惑をかけてはいけないという思いが先行し、言葉が出ませんでした。
もちろん、このままではいけないことも分かっていたので、関西外大のアリフ・イクバル教授に相談しました。イクバル教授には2年生のときからずっとお世話になっていて、留学先でも毎月zoomで相談に乗ってもらっていました。するとイクバル教授が「So What(だから何?)」と開き直りなさいと。「気持ちはわかるけど、失敗しても迷惑かけても、桃佳が思っているほど大したことじゃないよ。1週間以内にクラスで発言するって約束しよう。できたらメールしてね」とやさしく背中を押してくれました。私は、勇気を出し「今何て言ったの?」と質問しました。すると本当にイクバル教授の言うとおり、誰も迷惑だと思わず、快く助けてくれました。早い段階で殻を破れたからこそ、その後の授業に積極的に参加して、実りのある1年となりました。

夢がなかなか見つからなくて立ち止まっているあなたへ。自分らしく生きるためのヒント。
アリフ・イグバル教授のインタビュー。So What(だから何?)の精神についても触れています。
マーケティングだけでなく会計学にも挑戦したい
―最後にこれからの目標について教えてください
アメリカでマーケティングの知識を深めることができましたし、あらためて面白さを実感できたので、このままマーケティングの道に進むか、会計学を勉強してみたいなとも思っています。
実は、アメリカで仲良くなった友達が「桃佳は几帳面で、細かいことが得意だから、絶対に会計学が向いているよ」と勧めてくれたのです。数字に強くないのになと思いながらも、試しに会計学の授業を受けてみたらすごく面白いんです。例えば「仕分」と言って、企業の取引内容を借方と貸方に分類して帳簿に記載する作業があるのですが、決まったルールに従って数字を完璧に置かないといけなくて…。深く話すと長くなりそうですが、とにかく面白いんです。帰国後、簿記2級を取得し、今は米国公認会計士をめざして勉強中です。
CAに憧れて、ホスピタリティからビジネスに興味を持ち、今は会計が面白い。留学先で言葉や心の壁を越え、いろんな価値観を持った人たちと交流したことで、思ってもみなかった自分らしさを見つけることができました。
宮口さんの留学ドキュメンタリー映像
関西外大 GO FOR it! 2023 留学ドキュメンタリー|ディポール大学 リベラルアーツ留学編 [英米語学科 宮口 桃佳]