FD講演会 信州大学の三和秀平准教授が「学びのモチベーション」について話しました

 第12回FD講演会が2月1日、中宮キャンパスで開かれ、信州大学教育学部の三和秀平准教授が「学びのモチベーション~やる気の質に着目して~」と題して話しました。


▲学びのモチベーションについて講演する三和秀平・信州大学准教授

 三和准教授は、学びを進めるうえで、「やる気」は重要な要因と位置づけ、「やる気」の量だけでなく、その質も考慮する必要があるとし、教育心理学のモチベーション理論に基づき、やる気の質の違いについて述べました。

 まず、興味について、一時的な興味である「状況的興味」と持続的な個人特性である「個人的興味」に分け、学生の興味がどの段階であるかを考えることが学生のサポートにつながると指摘しました。


▲中宮キャンパスで開かれた第12回FD講演会

 そのうえで、動機づけを興味・関心などによる「内発的動機づけ」、強制や義務による「外発的動機付け」に分類。学業成績につながる動機づけとして、前者のうち、学習内容に価値を感じ、自律的に学ぶ動機づけにつながる「同一化的調整」との概念を紹介しました。さらに、学習に価値を感じることが重要であるとし、その理由を内容が難しくなっても学習行動を継続できるためと指摘しました。

 人の達成動機づけは、期待と価値によって決まるとし、近年ではコストの概念も重要になっていると述べました。そのうえで、期待を高め、コストを下げることの有用性に言及しました。

 また、人がもつ3つの基本的な心理欲求として、自律性、有能さ、関係性を挙げ、自律的な行動のためにはこれらが満たされることが重要であり、同時に、これらの欲求を満たすような学生支援が大切であると指摘しました。学生の関係性の欲求や有能さの欲求を補完する手段として、ICTの活用を推奨しました。
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