「就活生が今からやること」 学研都市キャンパスで専門家が


▲来年3月の就活解禁を前にバランスのとれた情報収集の大切さが指摘された

「会社を知り、仕事を知り、今を知る」。来年3月の就活解禁を控えた学研都市キャンパスの3年生向けの就職ガイダンスが12月11日に開かれ、専門家が講演。情報収集の重要さを解説。同時にインターンシップへの積極参加を強調した。
 

▲解説する浜口桂さん

元帝国データバンク社で多くの企業信用調査や企業向けのコンサルティングに従事した浜口桂(かつら)さんが講師。中小企業診断士でキャリアカウンセラーでもあり、多くの講演もこなしている。会場の講堂には約150人が出席した。
 
浜口さんは日本には約420万にのぼる会社があり、その99・7%が中堅・中小企業。これだけの数の会社から、学生たちは自分に合うかどうかを見極めることが求められる。その上で「バランスよく企業情報を集めよう」と呼びかけた。まず、会社のホームページは当然として、就職ナビ・四季報などは「会社寄り」の情報だと知っておくこと。
 

▲資料を手に客席の中まで入って説明が続く

  一方でインターンシップやOB・OG訪問、会社見学などの「現場」での生情報を汲み上げて、会社情報を確かめることを推奨した。OB・OG訪問では、「海外勤務から戻った人と話をさせてほしい」とか「出産を経験して一線復帰した人に聞きたい」など具体的なアプローチが効果的だとした。
 
さらに「インターンシップは就活に直結している。ぜひ経験すべき」と強く推した。大手コンビチェーンでは、部長職までが学生に加わり、企画書を練り上げ、プレゼンテーションしている例を紹介。就活の際にはインターン経験者にしか送らない会社情報もあるし、面接の際に履歴書とエントリーシートとともにインターンの記録書があるのは大きな強み。夏休みには及ばなくても、2月から3月の休みにかけてインターンを受け入れる企業はかなりの数にのぼる。「意中の企業がインターンシップをしているなら絶対に行くべき」とした。


▲じっと聞き入る学生たち
 

個々の情報源としては、新聞にはかなり情報が載っている。興味をひいた企業名は書き留めて、会社のホームページへ。特に経営者のメッセージをしっかりと読むことを奨めた。経営者のこだわりが示され、会社の姿勢がよく分かる。そのキーワードを提出書類にうまく書き込めば、人事担当者の注目を引くなどとした。
 
仕事は、会社の組織図を見れば理解できるが、企画や営業などをかなり細分化している企業もある。勤務もフレックス・タイムからフリー・タイム制なども取りざたされており、「時間管理は自分で行う」ケースもある。10年たてばなくなりそうな仕事がある一方で、10年後には考えられないような仕事が生み出されている可能性も高い。
 

▲初めてとなるジョブハックセミナーの告知も行われた

  人工知能やロボットがいかに進歩しても、「人間しか生み出しえないクリエイティビティやライブ感覚がある」と指摘した先端IT企業の開発者の話を引き合いに出しながら、浜口さんは「自分にふさわしい仕事について考えてほしい」と学生たちに語りかけた。
 
最後に「自分の魅力に気づいて活躍できる仕事を見つける」ジョブハックセミナーについて告知があった。大阪府の外郭団体・大阪労働協会が学研都市キャンパスで初めて開く催し。今からスキルを身に付けて就活を優位に進めようという観点とは異なり、「既に持っている自分のスキルから仕事を見つける」試みで、才能より組み合わせを重視する・来年1月10日と同17日に行う。
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