こんな人材を企業は求めている――3社の人事担当者がパネル討論で学研の学生に助言、模擬面接も


▲中野教授(壇上左端)の司会で行われたパネル討論

企業はこんな人材がほしい――3社の人事担当者を招いて、来年の就職内定をめざす国際言語学部3年生たちに助言するパネル討論会が10月16日、学研都市キャンパスの講堂で開かれた。就職ガイダンス(第6回)の一環で、3年生代表の3人に対する模擬面接も行われ、本番へ一歩、実践モードを高めた。
 

▲パネル討論で発言する各社の人事担当者

パネリストは「(株)遠藤照明」(本社・大阪市)の菅原有佳子さん(人事部)▽IT会社「シナジーマーケティング(株)」(大阪市)の深田悟司(さとし)さん(人材開発室)▽ホテル・サービス業「(株)Plan・Do・See(プランドゥシー)」(東京)の山野寛子さん(キャスティング室)。進行は学研キャンパス・キャリアセンター所長の中野誠教授が担当した。
 
はじめに「人事担当者はどこを見ているか?」という問いかけに、「面接では緊張してあたりまえ。ありのままを見ているが、何を言いたいのかをじっくり聞いている」となどとし、伝えたいことをしっかりと持っていることの大切さを指摘した。
 
「留学は売りになるのか?」という点については、「アピールポイントにはなるが、単純な評価はしない。何のために留学したのか。帰国後、何をしたのかというその人の取り組みを見ます」(山野さん)とし、単に語学力だけを強調しても通用しない。


▲実践的なアドバイスに聴き入る学生たち
 
「面接者がグッとくるポイント何か?」に対しては、「一生懸命さが出ているとき。グループ討論のときに何も話さないと評価はできない。たとえ地味でもあっても伝わるものはある」(菅原さん)、「正解を答えないといけないと思っているが、そうとばかりは言えない。素の自分をさらけ出しているなと感じられるとき」(深田さん)などとして、「(テキストに書かれた言葉ではない)その人らしさ」も注視されている。
 
最後に中野教授が「どんなことをしてきたのかという価値観が問われる。それが『自分らしさ』。話したいことをしっかりと準備しておこう」とまとめた。
 

▲本番を想定した人事担当者(手前3人)による模擬面接

続いて、模擬面接に移った。中条(ちゅうじょう)みなみさん、村田璃奈(りな)さん、天道康治君(いずれも国際言語学部3年生)が壇上にそろい、菅原さんら3人のパネリストから質問を受けた。
 
まず、学生3人が自己PR。「12年間、野球を続けた」(天道君)、「バトントワリングで全国優勝した」(村田さん)、「バイトリーダーになった」(中条さん)などとそれぞれエピソードを織りまぜながら発表した。これに対して、人事担当者からは「その中で一番辛かったことは何か?」や「達成後の新しい目標はどう設定したか?」「会社を選ぶときに自分が決め手にしているポイントは?」などの質問が続いた。
 
天道君ら3人は、時には詰まりながらしっかりと回答していたが、終了後、会場から「今の学生の回答に対して、人事担当者としてどのように評価しましたか?」という質問が飛び出した。
 

▲緊張しながらも質問に答える中条さん、村田さん、天道君(左から)

人事担当者の3人からは「会社を選ぶ基準は、他力本願になってはダメ。自力でできないことを挙げないようにしよう」。また「最初に答える時には、自分の名前をはっきりと述べる」などとの指摘があった。そして「成長できる人」は①努力を継続できる人②その仕事に興味や関心がある人③嫌なことでも、いったんは受け入れられる素直な人――といえる。自己PRにはこんな要素があればいい、などとの助言があった。
 
このほか会場からは「解禁半年前の時点ではどんなことをすればいいのか」という質問も出た。これに対しては「いろいろな人に会ったらどうか。動けば得られるものがある」、「学生生活を楽しむ。したいと思っていることをやり切る」などとアドバイスがあった。
 
模擬面接をした天道君は「事前に自己PRなどはまとめてきたが、質問に頭が真っ白になりました」といい、最後のキャリアセンターの総括でも「面接は場数を踏まないとなかなか自分の言葉が出て来ない」と注意を喚起。さらに公式の就活日程(来年3月エントリーシート提出。8月選考開始)は企業へのアンケートで、前倒しになる傾向が見て取れる。「早めの準備が大事」と改めて呼びかけた。
一覧を見る