ウクライナからの留学生2人に聞きました

 関西外国語大学には、「パスウェイズ・ジャパン」(難民留学生を支援する一般財団法人)を通じて、ウクライナから来た2人の留学生が留学生別科で学んでいます。



 ザポリージャ出身のバレリヤ・シレンコさん(18)=写真左=と、リビウ出身のオルハ・ロマニフさん(20)=写真右=です。



 初めての日本での留学生活は、秋学期が修了し、外大でのキャンパスライフを楽しんでいます。この半年を振り返りながら、1月25日から始まった新学期への思いも聞いてみました。

■日本語や日本文化を学びたい

 2人はともに日本語や日本文化に関心があり、ウクライナの大学で日本について学んでいました。

 バレリヤさんは、ドニプロの大学の1年生で、日本語と英語を専攻していました。日本のアニメなどを見たりして、日本語を勉強し、読み書きはできましたが話す機会がなかったこと、実際に日本に行って日本文化に触れてみたいと願っていたそうです。リビウの大学の3年生だったオルハさんも日本語と英語を専攻していました。


▲「日本の文化に関心がありました」と話すバレリヤさん

 ――日本への留学のきっかけは何ですか?

 バレリヤさん 大学のクラスアドバイザーから勧められたことや、ICU(国際基督教大学)に留学経験のある友人から話を聞いて、いつか日本に留学したいと思っていました。不合格になる友人も多い中、パスウェイズに合格したので、とても嬉しく思っています

 オルハさん 日本語の先生からパスウェイズについて教えてもらいました。また、東京の大学にいる友人からビザの申請方法や日本の生活についてもたくさん話を聞いていたのであまり不安はありませんでした。

■お気に入りの日本食は納豆

 わずか半年で2人が大好物になったのが「納豆」。臭いは気にならないそうで「体に良いから大好き。ほぼ毎日食べています」と話します。


▲「納豆は大好きですよ」というオルハさん

 ――秋学期にどんなことを学びましたか?

 バレリヤさん 漢字や日本文学、アジアの文化です。授業では日本映画や吉本ばななのキッチンなど有名な書籍などを教材に用いて学ぶことができてとても有意義でした。

 オルハさん 漢字や生け花などを学びました。着物が大好きなので日本のファッションも学ぶことができて良かったです。


▲秋学期を振り返るバレリヤさん

 ――新学期に新たに学びたいことは?

 バレリヤさん アート系の制作や塗り絵にも興味があるので、陶芸に挑戦したいと思います。

 オルハさん 神道について学んでみたいと思います。また日本料理や食文化についても学ぼうと、新学期は日本食の授業も選択しました。

■不思議?で優しい外大生

 初めて日本で“お正月”を迎えることになり、バレリヤさんは、お友達を通じて日本の家庭を訪れる機会があり、お節料理やお餅、お年玉や初詣などを体験しました。

 オルハさんは和服に関心がありますが、現代の日本のファッションにも興味津々で月に1度はアメリカ村を訪れているそうです。


▲外大生はいつも「Lets talk」と話し掛けてくれると喜ぶオルハさん

 ――外大生についてどう思いますか?

 バレリヤさん 夕方になると大勢の外大生が谷本記念講堂の北側で壁に向かって一列になって踊っているのを見て驚きました。ウクライナではパブリックスペースで踊る人を見たことがないので不思議に思いましたが、私もあんな風に踊れたらいいな、と思います。

 オルハさん 外大生はとても親切で優しい人ばかりです。食事に誘ってくれたり、いつも「Lets talk」と話し掛けてくれます。どこに行くのも助けてもらえて、とても楽しく過ごすことができています。

■平和になってほしい

 ――ご家族とは連絡を取っていますか?

 バレリヤさん 現在ポーランドにいる母親と、電話で話しています。私が日本に留学していることをとても喜んでくれています。

 オルハさん 両親や親族はリビウに住んでいます。通信電波状況が良くないので、あまり頻繁に連絡はできませんが、私は焼きそばやお好み焼きが大好きで、日本食はとてもおいしいと話をしても、食べたことがない両親は「本当においしいの?」と信じてもらえません。

 ――将来に向けて望んでいることは何でしょうか?

 バレリヤさん 平和になってほしいと願っています。みんなが望んでいることだと思います。平和になったウクライナに戻りたいと思っています。

 オルハさん ウクライナの文化や言語をもっと知ってもらいたいと思います。そして、平和になったウクライナに、海外からたくさんの人に来ていただきたいと思います。

 
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