卒業生で映像翻訳者の林かんなさんが、イベロアメリカ研究センター主催の公開講座で波乱万丈の半生を講演しました

 卒業生で映像翻訳者の林かんなさんが6月8日、「推しの監督と仕事をするためにチリに行ったけど、1カ月でクビになるまでの話-(無理やり)なりたい職業に就く方法」をテーマにイベロアメリカ研究センター主催の公開講座で講演しました。


▲波乱万丈の半生を語りました

 林さんは外国語学部スペイン語学科を1991年に卒業。現在、映画の字幕翻訳をメインに活躍しています。

 林さんは「きょうは映像翻訳の話がメインではないのでそれを期待している方には申し訳ない。しかし〝自分にはやりたいことがある〟という人にはヒントになると思います」と前置きして講演を始めました。


▲熱心に耳を傾けました

 高校受験にも大学受験にも失敗し「10代から20代初めは滑り止めからの時代でした」と振り返りました。しかし、映画と出会い、〝学ぶつもりなんてまったくなかった〟スペイン語と出会い、現在の自分があることから「結果的に失敗して良かったと思います」と力説しました。

 映画三昧の大学生活を過ごす中で、「エル・トポ」などの作品を手かげた鬼才・アレハンドロ・ホドロフスキー監督と実際に対面し、ホドロフスキー監督に夢中になっていきました。


▲大好きなホドロフスキー監督と仕事ができました

 外大卒業後はスペインに遊学し、帰国後は通訳や翻訳の仕事をしながらスペイン語を学びます。「やりたいことが常に湧き出してきます。映画なのか、スペイン語なのかと試行錯誤しました」といい、30歳になって映画の字幕翻訳の世界にデビューしました。

 そしてパリまで出向いて、大好きだったホドロフスキー監督に直接会って「あなたの原作本を翻訳したい」と直訴します。それがきっかけで〝推しの監督〟との仕事が実現しました。35年ぶりに制作した自伝的作品「リアリティのダンス」の字幕翻訳を担当したほか、その続編の「エンドレス・ポエトリー」ではサンチャゴの撮影に参加することができました。


▲講演後にはさまざまな質問が出ました

 林さんは〝夢をかなえるヒント〟として「自分の性格を見極めること、現在地を知ること、やりたいことは口に出すこと、いったん名乗ってみること、とりあえず行動すること、早い段階で失敗すること、人との縁を大切にすること、機嫌よくほがらかにすること、目先の利益にとらわれないこと、そして自分の頭で考えることです」と締めくくりました。


▲「ぜひ夢をかなえてください」と締めくくりました




 
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