本学出身の岩谷誠・枚方市立第四中学校長が講演 エグゼクティブセミナー開く

 社会の第一線で活躍する本学出身の先輩を講師に迎えて仕事や学生時代の経験について聴く「エグゼクティブセミナー」が1112日、中宮キャンパスの谷本記念講堂で開かれた。今回は、1982年に本学外国語学部英米語学科を卒業し、かつて全国最年少の中学校長として話題を呼んだ枚方市立第四中学校の岩谷誠校長が「まろやかな風が吹く学校~授業改革で学校は変わる~」と題して、教育現場の改革について語った。


▲講演する岩谷誠・枚方市立第四中学校長


 岩谷校長は、本学卒業後、中学校の教員となり、2004年、全国最年少の46歳で枚方市立楠葉西中学校長に就任。校長は現在4校目となる。また、在コロンビア日本人学校に3年間勤めた。
 

 岩谷校長は、いじめを見抜けず、保護者の信頼を失っていた楠葉西中をいかに改革したかを説明した。説教型の授業を改め、生徒同士が教え合い、学び合う「学び愛」と名付けた授業スタイルを導入したことで「生徒がみがき合い、学力が上がるようになった」とし、教師が積極的に生徒の「いいとこ見つけ」に取り組み、生徒の自主性が育まれたと述べた。
 

 また、放課後の補習授業に教員志望の大学生をボランティアとして活用する「ご縁塾」が授業全体の改善に効果を上げたことや、生徒がバーコードから自分に合ったプリントを選べるデジタル教材「Iプリント」の導入などにも触れ、これらの取り組みが不登校やいじめの減少、学力の改善につながったと指摘。「安心して勉強できる環境をつくることが校長の使命」と強調した。

▲会場に放映された歌手う~みさんの動画


 さらに、「死ぬこと」をみんなで考えてみようと取り組んでいる命の教育「あの世科」を紹介。助産婦、紛争と関わる国際機関職員、障害をもつ芸術家らを講師に招いているとし、その一人、本学出身で脊椎損傷による障害をもちながら音楽活動を続ける歌手う~みさんの「命のコンサート」の動画が会場に放映された。
 


▲質問する学生
 

 質疑応答で学生から「教師のモチベーションを上げるには」と聞かれた岩谷校長は、「仕事というのは志をもつことが重要」と答えた。また「教師の仕事は二つしかない。授業と学級づくり」と話していた。

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