風評被害やネット社会の落とし穴について考える ヒューマインド・乙守栄一代表が講演

 人権教育思想研究委員会主催の人権問題学習会が1123日、ヒューマインド代表の乙守栄一氏を講師に招いて開かれた。「風評被害・噂等の人権侵害について ネット社会の落とし穴について考える」のテーマで、中宮と学研都市両キャンパスを遠隔会議システムで結び同時開催された。ネットの情報交換に危険が潜む状況を話して頂いた。

▲風評被害について語る乙守栄一・ヒューマインド代表

乙守氏によると、風評被害とは「根拠のない噂のために受けること」で、「本来は無関係である人が損害を受ける」と定義。風評とは戦国時代に遡り、情報戦略を駆使した武田信玄の諜報戦にも見られたという。現代では、東日本大震災による東北の農水産物に対する風評が象徴的だとした。ネットによる風評では、飲食店アルバイト店員によるネット投稿や商品が不良品だとして従業員を土下座させ「店の評判をネットに流す」と脅すクレーマーの存在。また、芸能人が来店したという個人情報を従業員が漏らす―など事例をあげた。こうした被害は▷情報元は事件・事故や身近なものまで様々▷ネットを介して短時間で拡散▷意図せず被害が膨らむ▷SNSの恐ろしさを知らない―などの特徴をあげた。

▲教職員、学生らが乙守氏の講演を真剣に聞き入った

 さらに、風評被害から逃れる対策として▷個人としては、よいコミュニティーを築く▷自分としての軸を持ち、意見、根拠を持つ▷組織としては、情報の取り扱いは大切に▷適切な評価とインセンティブ―などをあげた。また、被害を受けた場合は▷慌てず冷静に▷個人で対応しない。一人で解決しようとしない▷法的機関、警察、ネット風評対策会社などに相談する―ことを促した。

一方、就職活動の学生にも提言があり「企業をどのような目で見ればよいか」について触れ、企業調査をする前に、「自分には何が向いているかを知る」「何をすれば自分は幸せになれるかを探し出す」として、何が自分に向いているか判断できない時は「インターンシップなどまずは行動し、何が合っていそうか直感で判断する」とアドバイスした。

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