日本のサービスを学ぶ海外留学生グローバルインターンシップ リーガロイヤルホテル編


▲制服姿のヨウ君(右)とジェシカさん

留学生別科で学んだ外国人留学生が国内の企業などで就業体験する「海外留学生グローバルインターンシップ」では、企業や金融機関、ホテル計9社でも12人(男子7人、女子5人)が6月初めから就業体験し、8月にも男子学生1人が企業での業務にチャレンジします。今回は、制服を着込んでホテルのロビーで活躍している男女2人の様子をリポートします
 
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大阪市北区のリーガロイヤルホテルでは、ヨウ・シュン君(香港中文大学出身)とジェシカ・ムレルさん(米ポートランド州立大学出身)の2人が7月末まで、「ベルボーイ」「ベルガール」「ベルスタッフ」とも呼ばれるベルの仕事に就いている。その役目は、▽お客様を出迎えて荷物を預かる▽チェックインカウンターへ案内する▽部屋まで案内し、荷物を運ぶ▽部屋の設備を簡単に説明する――など。丁寧な言葉遣いや心のこもった接客サービス、客の要望を察知する感性、気配り、ホスピタリティ精神が求められる。また、ホテル内の施設や観光スポットなどの質問をされることもよくある。
 
▲荷物を客室に運ぶヨウ君

「日本研究」が専攻のヨウ君は、細かいところまで手の届く日本のサービス産業に特に関心があり、ホテルでのインターンシップを希望した。アニメがきっかけで日本ファンになったジェシカさんは、アメリカのホテルで仕事をした経験があり、「日本で、ぜひサービスの実務を学びたい」と思って今回の就業体験にチャレンジしたという。
 
▲お客様を案内するジェシカさん

2人の日本語学習歴は3~4年で、日常会話で支障をきたすことはない。しかし、ジェシカさんは勤務中の敬語に悩まされるという。「どんな言葉で?」「使うタイミングは?」など、日々緊張の連続。ヨウ君は最初の約10日間こそ、先輩が付いていてくれたが、1人になってからは不安が募った。その気持ちが表に出ないように気を遣う日々が続いたという。
 
それでも、ジェシカさんは「外国人のお客様に、日本のことを教えてあげることができるのがうれしい」といい、買い物スポットや大阪城、海遊館などの情報を提供して感謝されることに満足感を覚えている。ヨウ君は小さなメモ帳を常にポケットに入れていて、「気付いたことをメモして、残しておくことの大切さを学びました」と普段の心がけを話してくれた。受け入れ側の同ホテルスタッフは「海外からの観光客が増えています。ベルの仕事は幅広く、外国人のお客様とも接する部署。地域に愛されるためにも、お2人のような日本語能力と人間性にあふれた人材が必要と感じています」と話している。

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