女性が働きやすい会社と仕事とは――中宮キャンパスで就職セミナー キャリアプランを考えよう
▲女性のための会社制度について熱心に聞く参加者たち
「女性が働きやすい会社と仕事」をテーマにした就職セミナーが10月21日、中宮キャンパスで開かれた。企業での女性管理職比率の向上など女性の活躍できる社会が大きくクローズアップされる中、3年生の女子学生約25人が出席。職業選択や企業研究などを通したキャリアプランをじっくりと考え合った。
▲企業研究のポイントを語る美甘さん
就職情報サイト「朝日学情ナビ」などを運営する「(株)学情」の美甘日佳里さんが講師を務めた。はじめに「女性にとって働くとは?」と問題提起。入社1~3年目の女性の声を紹介した後、正社員とフリーターの待遇格差について具体的な数字を挙げた。正社員は、平均年収が387万円で、フリーターの約2倍、生涯賃金が3億1080万円で約5倍に達する。このほか年金受取額でも大きな差がつくなどとして、安易なフリーター志向を戒めた。
女性のターニングポイントとして結婚・出産についても女性の声を紹介。結婚後は8割以上、出産後も6割以上が仕事を続けたいと考えているデータを示し、「キャリアプランをしっかり考えよう」と呼びかけた。
そして、「職業選択のポイント」として産前産後休暇、育児休業、子育て期の短時間勤務の3つの制度が整っていても、実際には利用しづらい企業があるので、「産休制度や育児休業を取っている社員の割合」や「どの程度、産休を取ることができるか」を具体的に担当者に質問することを「企業研究のポイント」に挙げた。
▲子育てサポート企業に与えられる「くるみんマーク」も参考に
合わせて、「男性1人以上が育児休業などを取った」「女性の育児休暇取得率が70%以上」などの条件をクリアすれば国が認める「子育てサポート企業」を示す「くるみんマーク」を目安にするのも方法で、厚生労働省のホームページを参考に、と助言した。
さらに、営業、販売、事務の3職種を取り上げ、「イメージが偏っていないか」注意した。営業職は「ノルマがきつくて、いつも上司に叱れている」というのはテレビによるイメージを引きずり過ぎと指摘。営業にはさまざまなスタイルがあり、口八丁手八丁ではなくても、無口なトップセールスマンもおり、「十人十色」。
一方で、事務職については、女性が多いこともあって、「なめている学生も多い」という。最近はスキルをもつ派遣社員を充てる会社が多く、思った以上に狭き門で、「仕事への理解度や志望動機・自己PRが厳しく問われる」とした。
3年生の就活日程としては、来年3月の企業の採用情報公開、8月選考開始といわれているが、「実際は企業の7割が日程の前倒しをする見込みで、準備は早く」と意識の転換を強調。女子学生のよくある就活失敗例として▽スタートが遅すぎた▽事務職しか受けなかった▽結婚すれば退職と考えて、本腰を入れなかった――を挙げた。
▲セミナーでは学生の意見も問われた
▲「自己把握ワーク」に取り組む学生たち
最後に、「自己把握ワーク」を紹介。14の業界を挙げて「興味ある」「興味ない」「知らない」に分類することなどで、学生が道筋を立てて考えて行くきっかけになるとした。参加した外国語学部英米語学科の学生は「自己把握シートで、興味がないのはなぜかを考えると、イメージだけだったりすることも分かる」といい、別の学生は「育休などの女性のための会社制度の利用しやすいかどうかは、しっかりと頭に入れて企業をよく研究したい」などと話していた。
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