教職志望者のための「ようこそ先輩」 学研都市キャンパスで開催

 教職を目指す学生が卒業生の話を聞いてキャリア形成に役立てる「ようこそ先輩・卒業生リレー講座」が115日、学研都市キャンパスで開かれた。参加したのは英語国際学部13年生と教員採用試験を受験した国際言語学部4年生の計約40人。岡山県井原市立井原中学校・米谷夏美さんと三重県立桑名西高校・鈴木佳奈恵さん(いずれも国際言語学部2014年卒業)が教壇での体験談や後輩へのアドバイスを語り、参加した後輩たちはほぼ同世代の先輩英語教員による体験談が参考になった様子だった。

▲ 40人が参加した学研都市キャンパスの「ようこそ先輩」

 

 米谷さんは在学中、バスケットボールサークルに所属。3年次に教員になろうと決心して、「教員採用試験対策スペシャル講座(サイスペ)」に参加した。1年目からバスケットボール部の顧問を務め、部活動で週末がつぶれるが、それに負けずに研鑽を積む日々を送っている。

▲ 部活動の指導にも頑張っている米谷夏美さん

 

 後輩へのメッセージは3つ。第1に挙げたのは「英語力」。教えている中学1年生の成長ぶりを話し、「部活動もあって、自分が勉強する時間が取れなかったが、今年から意識的に英語力向上のための勉強に取り組んでいる」と明かした。第2は「人間性」。「生徒たちは教師の姿を見て成長しているのだと思うと、モチベーションがアップすることもあるし、不安が募ることもある」と話し、自分を磨くことの大切さを強調した。第3は「熱意」。「なぜ教師になりたかったのか、思い続けることが大事。在学中に聞かされた“思い描く力を爆発させよう”という言葉を頭に浮かべて頑張っている」と語った。

 

 鈴木さんは今年度の外務省若手教員海外派遣事業の一員に選ばれ、7月から8月にかけて米オレゴン州のポートランド州立大学に留学してきた。この充実した2週間の体験を中心に、顧問を務めるESS部の活躍ぶりなどを語った。

▲ 今夏、外務省の海外派遣で米国へ留学した鈴木佳奈恵さん

 

 外務省主催の海外派遣は、現地の大学で米国理解の授業を受け、並行して企業などの見学を通して米国を理解するというプログラム。全国から若手教員90人が選ばれ、3つの大学に分かれて研修した。鈴木さんはポートランドの街の特色などを話した後、現地でのタイトなスケジュールを紹介。「高校の見学もあり、日本との違いを確認してきた」という。

 「一人でも多くの先生方に、こうした研修を経験してほしい」という鈴木さん。後輩へのアドバイスとして、「英語力はどれだけあっても困らない」「生徒から逃げない」「出会いを大切に、仲間の輪を広げよう」という3つのポイントを挙げた。

▲ 最後に参加した学生が2人に感謝の言葉を述べた

 

 英語国際学部の西村孝彦教授は「今、教師の英語力が問われている。どうやってブラッシュアップするか学生時代から考え、教員になってからも、意識してオンザジョブトレーニング(OJT)をやる必要がある」とアドバイスした。

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