学研都市キャンパスでPBLの学内合同報告会始まる 初日は3クラスが研究成果を披露する 


▲発表資料は豊富。右下は司会の住友君、濱君、日吉さん、平井君(右から)

学研都市キャンパスでの特徴的な学びの実践となっているPBL(課題解決型授業)の2014年度の研究成果についての学内合同報告会が12月23日、同講堂で始まった。2日間の日程で、今年度7クラスのうち、初日は3クラスが発表した。どのクラスも提携先との綿密なやり取りをもとに、豊富に資料を作成し、わずか15分間の発表時間を有効に使っていた。
 
各クラスとも3年生20人のメンバーはリクルート服で集合。代表3~5人が舞台に上がり、解説しながらそれぞれのテーマに沿った提案を行っていた。会場には提携先の代表も出席したほか、関心のある学生らも詰めかけた。司会は昨年度のPBLを体験した4年生の平井啓之君、住友雄輝君、濱直大君、日吉由衣さんが当たった。
 

▲3年連続の提携となった叶匠壽庵クラスの発表を行う川村さん(下右端)ら

■叶匠壽庵クラス(テーマ:和菓子の魅力を外国人や若者に伝えるイベントを企画・提案しよう=指導・小島泰典教授)
 
滋賀県の大津市が本社の同社とは2012年度から3年間引き続いて提携し、同社の農工一体の菓子づくり施設「寿長生の郷(すないのさと)」での国際交流などを提案してきた実績を踏まえて取り組んだ。
 
川村彩乃さんら5人が発表した。企画と広報チームに分かれ、中国やオ―ストラリアなどからの留学生らと事前イベントやアンケートを実施。和菓子作り教室に、外国人に親しみやすい日本の寿司(マグロとイクラ)や季節感を演出できるハロウィンの「ジャコランタン」を模して作ることを企画するなどした。外大だけでなく滋賀大の留学生や日本語学校の生徒も招いた本イベントも開いた。
 
こうした活動をもとに、①サークルの結成と連携の継続②同社が京都市内に持つ茶室棟で同郷をPRする③ホームページ・パンフレットの活用の3点を提案した。①では外大キャンパスへのお菓子作りやお茶席など出張イベントを盛り込んだ。
 

▲乃村工藝社クラスでは中嶌さん(下左端)らが構想した施設を説明する

■乃村工藝社クラス(テーマ:大学におけるコミュニケーション環境作りを考える=指導・神田修悦教授)
 
4月から学研都市キャンパスをめぐってオリジナルマップを作ったり、アンケートを行ったりするとともに、他大学の調査に取り組んだことを中嶌一葉さんら5人が説明した。
アンケートでは、外大生と留学生はそれぞれが外国語を使って話をしたいというニーズがあるが、くつろげるスペースがないことが明らかになった。一方の事例研究では、関西の同志社大など6大学を訪問したほか、ネットなどで全国の37大学を調べた。中でも近畿大学の英語村「E―cube」のユニークさを指摘した。
 
そこから自分たちが理想とするコミュニケーション施設「Global Loving」を構想した。くつろぎ、遊び、学びの3つのアピールポイントを持ち、施設全体がカフェで、月替わりのテーマを決めてディスカッションを行い、世界各国・地域のブースを持ち、地域の人も参加できる語学授業を学生主体で行う。施設自体も地球を表わす球体の建物をアピールした。
 

▲考案した菓子のパッケージを手にする山下さん(下右端)らザ・パックのクラス

■ザ・パック/あみだ池大黒クラス(私たちが考える菓子の企画とパッケージの提案=指導・井上修輔講師)
 
総合パッケージメーカーと大阪の老舗菓子メーカーを連携して、①大阪らしい②かわいい③エレガント④萌えブームという4つの提案に持って行くことをめざした。パッケージではそれぞれの形や色などでの利点・難点を比較して考察した。また商品としては、おこしの菓子「福の花」を取り上げ、大阪土産NO.1にする方策を考えた。
 
ここから、おこしをディップソースにつけて食べたり、果肉クリームをおこしではさみ込んだりする。また、「しっとり黒蜜きなこ」や「南国ココナッツ」など9種類の味から好きなものを3つ選ぶことができるようにしたり、若い女性のイメージキャラクターを前に押し出したりし、それぞれに見合ったパッケージの試作品も、発表した山下陽子さんら3人が披露した。
 

▲マイクを手に発表について講評する岩永監事

各発表が終わった後には、学生からは「予算の手当はどうするのか?」などの質問も出ていた。最後に出席していた本学の岩永充夫監事が講評。「プレゼンテーションは自信をもって堂々としていた。中には少し自信がなさそうにしているところもあったが、以前に比べると良くなっている。めざす目標もしっかりと明示してすれば、さらに良いものになるでしょう」と評していた。
 
最終日の24日は4クラスが披露する。
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