パラグアイの国民楽器「アルパ」を紹介しました/イベロアメリカ研究センター公開講座

 イベロアメリカ研究センターが開く2022年度連続公開講座「南米音楽紀行」の第2回が11月11日に開催され、アルバ奏者のルシア塩満さんが「アルパとともに半世紀」と題し講演しました。


▲アルパを携え講演するルシア塩満さん

 アルパとはハープのスペイン語での呼び名で、17世紀から18世紀にかけて南米諸国に伝えられました。なかでもパラグアイは、アルパ音楽が最も盛んに演奏される国で、国民楽器とみなされています。

 ルシア塩満さんは、パラグアイへのアルパ留学を経て1975年にプロデビュー。長年に渡りパラグアイ音楽を日本で普及させた功績が認められ、パラグアイ政府から日本人のアルパ奏者として初となる「国家功労勲章・コメンダドール位」を授与されました。

 講演でルシア塩満さんは、「幼い頃に家族でパラグアイに移住し、生活のなかで中南米の民族楽器である小型のハープ『アルパ』を知った」と話し、「移住生活は短かったけれども、後に恩師となるアルパ奏者の第一人者、クリスティーノ・バエス・モンヘス氏と帰国直前に出会ったことが私の運命を決定づけた」と熱を込めて語りました。

 その後のアルパ留学については、「高校卒業後、今は亡き恩師から直接指導を受けるためパラグアイに留学しました。習得した伝統的な奏法を守り抜いて47年。優しくて、暖かくて、力強く、人の心を打つ音色を聴いてほしい」と締めくくりました。


▲アルパを奏でるルシア塩満さん

 続いて、ルシア塩満さんによるアルパ演奏が行われ、「カスカーダ」「遠いあなたへ」「黄昏色の秋」など計7曲が披露されました。会場からは万雷の拍手が鳴りやまず、「コーヒー・ルンバ」と「イパカライの思い出」がアンコール演奏されました。


▲アンコールでギターと共演
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