梶田純子教授がバスクの奥深い魅力について講演しました/イベロアメリカ研究センター公開講座

 イベロアメリカ研究センターの公開講座が6月23日に開かれ、外国語学部の梶田純子教授が「バスク・ディアスポラ、ヨーロッパから世界へ-激しい民族運動から美食の国に-」をテーマに講演しました。


▲バスクの魅力について余すところなく話しました

 バスク民俗やバスク地域研究を専門にする梶田教授が、バスクの自然環境やファッション、音楽、スポーツから、民族運動、ゲルニカ、バスクの現状まで幅広く講演し、オンラインを含めて100人が参加しました。


▲オンラインを含めて100人が参加しました

 最初に「バスクはスペインとフランスにまたがる地域で、有史以来国家として成立したことはありません。激しい民族運動が繰り広げられた歴史があり、〝危険なところ〟という誤解がありました」と前置きしました。


▲バスクを知るための資料を並べました

 そして、乾燥した台地が多いスペインでは珍しく緑があふれる風光明媚な地域で自然も気性も日本と似ていると指摘、バスクシャツやバスクベレーなどに代表されるファッションや、ソルツィユとよばれる舞曲、バスクダンス、アイスコラリ(丸太切り競走)やペロタといったバスクの伝統的スポーツなど、バスクの豊かな文化や伝統について紹介しました。


▲作品を手にファッションやテキスタイルを紹介しました

 また、大航海時代から南北アメリカを中心に多くのバスク人が渡った歴史を挙げました。バスクの伝統を伝える「バスクセンター」が現在、世界25カ国の191カ所にあることや、バスク国歌にもなっている〝ゲルニカの木〟をシンボルにして世界中でバスク人が活躍してきた歴史をたどりました。


▲ピカソの絵で有名な〝ゲルニカ〟はバスクの町でした

 かつては過激なテログループによる民族運動の時代がありましたが、梶田教授は「今では美食の国として食文化で有名になりました。バスクには多様な食材が豊富にあり、どの町や村にも男性が集まって料理をする〝美食クラブ〟が必ずあります」と紹介しました。

 
一覧を見る