国際文化研究所元所長の野村亨・慶応義塾大学名誉教授が「ブッダを体感する:古代インドの言葉に触れる」をテーマに講演しました

 関西外国語大学国際文化研究所で所長を務めた野村亨・慶応義塾大学名誉教授が2月22日、第10回IRI言語・文化研究フォーラムで「ブッダを体感する:古代インドの言葉に触れる」をテーマに記念講演(公開講座)しました。


▲古代インドの言葉をテーマにオンラインで講演しました

 野村亨名誉教授は、外国語学部教授として国際文化研究所の所長を2022年3月まで務めました。約60人が参加した中宮キャンパスのICCホールでオンラインでの講演となり、2500年前にお釈迦様(ゴータマ・シッダールタ)が話した言葉とされる「パーリ語」を取り上げました。

 バーリ語は古代インドの俗語の一つで、タイやミャンマーなどの上座部仏教ではパーリ語で書かれた経典を読んでいます。野村名誉教授は「きょうは皆さんにもパーリ語で書かれたお経の一部を実際に読んでいただき、お釈迦様の息吹を少しでも感じ取っていただきたい」と講演を始めました。


▲「お釈迦様の息吹を少しでも感じ取っていただきたい」と講演しました

 最初に、お釈迦様の教えである四法印(四つの真理の定理)や四諦(四つの諦め)、八正道(涅槃に至る修行の基本となる八種の徳)について話し、古代インドの言葉について説明しました。また日本のいろは歌や五十音が、涅槃経や古代インドの音韻学に基づいていることを解説しました。



 そして「パーリ語」について、専用の文字を持たないことや、名詞には全部で8つの格変化を持つこと、動詞には2つの態と8つの法があるとし、実際の経文を使って解説しました。また、お経を読む前に唱える礼拝文や三帰依文などを実際に声に出して参加者とともに読んでみました。



 講演に続いて質疑応答があり、野村名誉教授は「パーリ語をどのように学んだのか」「どのような入門書があるのか」といった参加者からの質問に答えていました。


▲会場からの質問にも答えました
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