英語国際学部「アジア共創学科」(設置構想中)/2025年春スタート/共創で新たな価値を創出
※関西外大通信「THE GAIDAI」316号の特集記事「日本からアジア、そして世界へ」を基にまとめています。
英語国際学部に2025年4月、「アジア共創学科」を新設します。現在、文部科学省への届出の手続きを進めています。(設置計画は予定で、内容が変更される場合があります)
■グローバル・アジアをリード
アジアは21世紀に入ってから、目覚ましい経済発展を遂げています。ここ10年間でGDPは倍増、経済活動の中核を占める中流階級は、アジアから約21億人が新たに世界経済に参入すると言われています。
アジア共創学科は、アジアのさまざまな国や地域からの留学生と外大生が共に学び、交流を重ねます。
そして、アジアの文化やビジネスを巡る知識、見識を身に付け、グローバル・アジアをリードしていく人材を育てます。
■英語とアジアの言語を修得
アジア共創学科では、高度な英語運用能力とともに、アジアの言語(中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語から選択)1言語を身に付けます。
また、経験に根ざす実践的な知識を備え、柔軟な国際感覚を得るために、希望者は2年次に、中国、韓国、タイ、ベトナムなどのアジア地域へ留学することができます。
加えて、3年次にはゼミナール形式の「アジア共創セミナー」、4年次には「アジア共創キャップ・ストーン」を設け、アジアからの留学生と協働して、アジアや日本が抱える課題を学び、解決策を考えます。
アジア地域への留学のほか、フィールドワーク型や課題解決型の学びを重視するとともに、ディスカッションやプレゼンテーション、グループワークなどのアクティブ・ラーニング型の授業をふんだんに取り入れて、鋭い国際感覚を養います。
■留学生はオール日本語授業
外大生と共に学ぶアジアからの留学生については、日本語を専修的に学び、2年次を修了するときには日本語能力試験で最も難しいN1レベルへの到達を目標とします。
留学生は、日本語会話や日本語表現、日本語読解など基礎的な力をつけたうえで、ビジネス日本語やアカデミック日本語も学びます。質疑応答やグループワークなどを日本語で行い、実践的な能力と資質を身に付けます。
◇ ◇ ◇
<アジアセンター長・靳衛衛教授に聞く>
アジア共創学科について、設立準備に携わるアジアセンター長の靳衛衛教授に聞きました。
■潜在力、可能性、高い成長率
--なぜ、今、アジアをターゲットにしたのでしょうか?
近年、世界のビジネスや経済の中心は急速にアジアに移行しつつあります。アジアは世界の人口の6割を占めています。この巨大な市場は多くの企業にとって非常に魅力的になっています。
また、中国やインドなどの新興国の経済は驚異的な速さで成長しており、アジア全体のGDP(国内総生産)は、今では欧米諸国を抜き、今後も成長する見込みです。
多くの企業がこの成長市場に参入しようとしています。加えて、アジア地域は政治的な安定と規制緩和が進展しています。
こうした背景から多くの企業が今、アジアをターゲットにしています。アジア市場の巨大な潜在力と成長率の高さは、世界経済の中でますます重要な役割を果たしていくことが予想されます。
アジアの一員として、アジアの諸国についてより深く学び、さらなるポテンシャルを知ることで、今後のキャリアパスの幅を広げる機会があると考えています。
■多様性を尊重する力養う
--アジアからの留学生と共に学ぶ意義について教えてください?
アジア諸国の異なる文化や背景を持つ留学生と共に学ぶことで、相互理解やコミュニケーション能力を向上させることが可能となり、異なる視点や価値観を理解し、多様性を尊重する力を養うことに大いに役に立つと考えています。
さらに、国際的な視野を広げる機会としても有効であると考えられます。外から見た日本の社会、文化、経済について新しい視座を得ることができ、国際的なさまざまな問題についても深く議論する機会が生まれることが予想されます。
加えて、留学生との交流を通じて、言語能力やコミュニケーション能力を向上させることもできます。新学科では、留学生と共に学ぶことで、自然な形で外国語を学ぶ機会が増え、真のコミュニケーションの場でその言語を実践することができることも大きな意味があると考えます。
■多彩な留学・研修で体感
--新学科ではどのような人材を育てていくのでしょうか?
アジアの言語および英語、グローバルアジアのありよう、アジアの文化・社会に関して学修します。そして、地球規模の課題を認識し、アジアの多種多様な人々と協働しつつ共創によって新たな価値を創出し、世界の持続的発展に貢献できる人材の養成を目的としています。
--新学科の留学制度について教えてください。
アジア諸国への1学期間の留学に加え、短期間(2週間程度)の研修で、語学のみならず、SDGsなどの要素も取り込んだ実践・体験型プログラムを予定しています。従来からある1カ年以上の留学にも参加が可能であり、海外でのさまざまな学修機会を提供することで、新学科で学修する内容を体感して欲しいと考えています。
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