本学と大阪経済大学の学生が協働し課題解決を提案する「ミラエガプロジェクト」 2023年度は5チームが活動を終えました

 関西外国語大学と大阪経済大学の学生がチームを組み、企業が出す課題の解決策を提案する「ミラエガプロジェクト」に2023年度は5チームが参加、活動を終えました。


▲本学と大阪経済大学のミラエガ参加者
 
 「ミラエガプロジェクト」の正式名称は、「自分の思い描く未来のために一歩を踏み出すプロジェクト」。2022年度にスタート、今回は関西外国語大学と大阪経済大学の1~2年生が合同で5つのチームを作り、株式会社マイナビ主催のオンラインによる「課題解決プロジェクト」(企画アイデアコンテスト)に参加しました。


▲企画書について発表する参加者

 課題は「世の中の『不』を解消するために、ファンケルがこれから取り組むべき、新しい商品・サービスを考えてください」(株式会社ファンケル)、「多くの人々やさまざまなモノが行き交う、心はずむ社会・未来の実現のために、日本航空が新たに取り組めることを提案してください」(日本航空株式会社)の2テーマ。8月から取り組み、ファンケルに2チーム、日本航空には3チームが企画書を提出。企画書は、「お客様視点」「テーマ分析度」「企業理解」「発想力・想像力」「プレゼンテーション力」の5つの視点で評価されました。

 2月16日に最終プレゼンテーションが行われ、審査結果は各チームにフィードバックされました。ファンケル課題に取り組んだ「FuMAMS」チームは、全国から出された企画書のうちの上位2割に入る評点を獲得しました。


▲「『不』を解消する」をテーマに発表した英語国際学部2年久富彩子さん(左)たち

 「FuMAMS」チームの英語国際学部2年、久富彩子さんは、「ミラエガプロジェクトを通して」というリポートを寄せ、「人の役に立つために何をできるかを見つめ続けました。私の心に残ったのは、苦しいことから逃げずに立ち向かい続けたその先にある達成感でした」とプロジェクトに参加した意義を強調しています。

【これまでの活動】
2023年
8月 5 日 『ミラエガ』プレイベント
9月 4 日 『ミラエガ』キックオフイベント
9月 5 日 『課題解決プロジェクト』説明会&エントリー
この間、チーム活動
11月11日 『ミラエガ』中間発表&フィードバック
※この間、チーム活動
12月22日 『課題解決プロジェクト』企画書提出

2024年
1月25日  『課題解決プロジェクト』結果発表
※この間、チーム活動
 2月16日 『ミラエガ』企画書プレゼンテーション

 ◆以下に、「FuMAMS」チームの久富さんのレポートを掲載します。

ミラエガプロジェクトを通して

英語国際学部2年 久富彩子

参加の動機は「世のため人のために役立ちたい」

 私はミラエガプロジェクトに参加する前から、「世のため人のために役に立つ人になりたい」、「助けが必要な人誰にでも手を差し伸べる、優しくも強いアンパンマンのような人になりたい」と考えていた。私の考えを否定する人もいたが、今までこの信念が揺るぐことはなかった。このプロジェクトに参加しようと考えた根幹の軸もこの思いからである。


▲久富彩子さん

 プロジェクトを知ったのは、留学先のアメリカ合衆国から帰国した数日後だった。祖父が被爆したことで発症した皮膚がんにより亡くなったこと、母がアメリカ人の友人たちととても仲良く交流していたこと、この両者におけるギャップ及び現在に至るまでの様々な課題とその解決方法に興味を抱き、アメリカ合衆国ニューヨーク州でSDGsについて学んだ。

 帰国時の私は、たくさんの刺激を受けたことを活かし、世のため人のために役立つ「何か」をすることにとても意欲的であった。その時、大学のキャリアセンターからのメールでミラエガプロジェクトのことを知り、参加することにした。

課題テーマは「世の中の『不』を解消する」

 私たちのグループ「FuMAMS」が選択したテーマは株式会社ファンケルが提示していた「世の中の『不』を解消するために、ファンケルがこれから取り組むべき、新しい商品・サービスを考えてください」というものだ。

 私たちはこの「不」がどのようなものなのか分からず、まずアンケート調査を行った。しかし、同年代の人脈しかなく、満遍なく意見を集めることにとても苦戦した。キャリアセンターや家族、アルバイト先の知り合いやその友人に依頼し、222の標本を過度な偏りなく集めた。企業の方々に企画への意見を頂く中間発表の際、「この数の標本を集めるのに企業は100万円以上の経費をつぎ込む」と伺い、私たちの企画にご参加いただいた皆さんの力の大きさに感動すると共に心から感謝した。

挫折を乗り越えて

 中間発表の際、企業側から見ると私たちの案は拙くありきたりであり、消費者にとってのメリットが明確ではないと指摘されたことを受け、企画を一からやり直すことにした。調査や膨大なデータ等の分析を密に行い自信があり、企画提出まで一ヶ月半しかなかったため、もう無理ではないかと限界すら感じていた。きっと私だけだったなら立ち直れず諦め、よい企画を提案することはできなかったであろう。

 他チームが4人でプロジェクトに取り組む中、私たちは友人との2人だけのチームになっていた。頑張っているのは私だけではない、もしここで諦めたら共倒れになる。その思いが私を強く突き動かし、最終企画提出に向けて取り組むことができた。チームとして取り組み何かを作り上げていく心強さと大切さが身に染みた。

原点「必要とする誰かの役に立ちたい」に戻る

 中間発表後、私たちはアンケートで得た人々が抱える「不」をもう一度見直し、解決が必要な課題を選びなおした。また、これまで専攻し留学で見識を広げたSDGsへの取り組みも活用し、人だけでなく環境にも配慮された長期的に使ってもらえる商品を企画することにした。それからの日々は一生懸命過ぎて、正直記憶があまりない。授業とアルバイトを除く、すべての時間と精神を費やしたと言っても過言ではない。
 
 「必要とする誰かの役に立ちたい」。いつも念頭にあったのはその思いだった。「この立案は独りよがりではないか」「本当に必要とされているか」「この商品における更なる付加価値はどのように創り出せるか」、何日も何日もそれらを繰り返し思案した。時には起業しているアルバイト先の先輩やキャリアセンターに紹介していただいた一般企業の方々に意見やアドバイスをいただき、様々な視点と知識で多角的にこの企画を見つめ、ブラッシュアップを続けた。ずっと苦しかった。正解がないものを創り出すことの大変さ、世の中にある課題の中核を見つめ分析し続けることの忍耐と大切さを学んだ。


「苦しいことに立ち向かい、達成感」~向上心で満たされる

 このプロジェクトを終えて私の心に残ったものは、苦しいことから逃げずに立ち向かい続けたその先にある達成感である。もちろん、この企画に取り組んでいる最中は人の役に立つために自分は何をできるのか見つめ続け、多くのことを考えた。しかし、アイデアコンテストという形のないものである以上、やはり自身の感情が先行して残った。

 本選考では上位20%には入ったものの、入賞することは叶わなかった。自身ができるすべてを尽くした企画であったためとても悔しかった。しかし、不思議と悲しくはなかった。これほどの努力をしても全国にはまだ上がいる、そのことにむしろ興奮していた。「まだできる」、「まだやれる」。私の気持ちはプロジェクトを終えた今も尚、向上心で満たされている。

 学内でのセッションでは1位をいただくことができた。私自身、テストも習い事のコンクールも運動会のかけっこでさえ“一番”をとったことは一度もなく、心のどこかでいつも結果を期待しすぎないようにしていた。生まれて初めてとった一番。やっと今まで頑張ってきたことが報われたような、そんな思いだった。自分に少し、自信を持つことができた。きっと私の本当のスタートはここからである。

BtoCの仕事に就きたい~プロジェクトを終えて

 今回のプロジェクトを経験し、将来展望が二つ固まった。一つ目は、逃げずに最後まで挑戦し続けられる人であり続けることだ。大切なことは大抵難しく、“頑張った”程度では成し遂げられない。その苦しさに打ち勝つ克己心を持ち、やり抜くことが不可欠である。自分のことをできずして他者を助けることなどできない。私はこの最後まで挑戦し続けやり抜く姿勢を保ち、正義感と多角的で広い視野を持って様々なことに今後も挑戦したい。
 二つ目は、B to Cの仕事に就くことである。この企画を通して実際に使用する消費者の声を基に企画すること、我々が普段何気なく使い、生活を豊かにしている商品の企業努力を学んだ。 B to Cの良さは消費者の声をそのまま反映させることができ、自身の企画へのフィードバックを肌で感じられることである。自身のアイデアや提案で社会課題を解決する仕事がしたい。この想いは冒頭に示した自身の信念に由来する。困っている人誰にでも手を差し伸べる、そんな人に私はなりたい。(学年はプロジェクト参加時)




 
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