FDワークショップ SDも兼ねて中宮で開催

 「学生の主体的・自律的な学習に対する支援をめぐって―ラーニングコモンズ創設を契機として―」をテーマに99日、第9FDワークショップが中宮キャンパス・多目的ルームで開かれた。第1部の基調講演はSD(スタッフ・ディベロップメント)を兼ね、遠隔装置で結ばれた学研都市キャンパスと合わせて計約90人の教職員が参加。池田輝政・追手門学院大学教授による基調講演は「授業のなかで学生と共に学び楽しむ時間をつくるFDの方法論」。教員対象の第2部は、村上裕美・短期大学部准教授が「短期大学部学生による英語の授業外学習の効果をめぐって」、鵜島三壽・英語国際学部教授が「日本学研究Cの授業外学修」と題し、事例発表を行った。

▲ 教職員約70人が参加したFDワークショップ

 

 学校教育法施行規則改正に伴い、全大学が学位・教育課程・入学の3つについて方針を公表することが求められていることから、池田教授は大学の教員やスタッフの教育・授業に対する認識、それを学生と共有する課題があるという観点から話を進めた。「学生の目標は現状のギャップを知り、将来の自分に近づく行動を取ることであり、これが学習者中心の発想だ」と述べた。

 シラバスの表現について、池田教授は「現在の大学では教員の側が『何を教えるか』という『プロダクトアウト』の考え方が主流だが、これを学生が何を求めているのかというニーズを主体とした『マーケットイン』の発想で目標を立てるべきだ」と語った。

 また、大学教育の「質保証」について「法律に従ってやっていくことだけではなく、大切なのは学生の社会的成長を促すものでなければならない」と強調し、自己分析の手法について具体例を示して説明した。

▲ 「学生主体のFDを」と強調する池田輝政・追手門学院大学教授

 

 第2部で村上准教授は、担当するCollege English GrammarIntegrated English Aの授業で実践しているアクティブ・ラーニング(AL)の具体例を紹介。中宮キャンパスに新設されたラーニングコモンズを使った例や、絵本を作成させて、授業での学習内容を応用させる工夫などを話した。

▲ ラーニングコモンズを使ったアクティブラーニングを紹介する村上裕美准教授

 

 鵜島教授は学研都市キャンパスで、大人数の授業を担当しているが、学生一人ひとりの席を決めたり、様々な決めごとしたりして、きめ細かいクラス運営をしている。発表では、小レポートやワークシートの実例を紹介。映像メモを多用している効用について、「見ながらメモを取る、考えついたことを素早くメモするという技術を学生たちが習得したようだ。これは担当者にも大きな収穫」などと話した。

▲ 大人数のクラスでの工夫を発表した鵜島三壽教授

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