留学生が俳句コンテストで自信作を披露しました

 外国人留学生が参加する俳句コンテストが開かれ、11月29日の“句会”で自信作を披露しました。俳句をテーマにした留学生対象のイベントは初めてです。コンテストには留学生16人が参加しました。11月上旬から俳句について学び、作品づくりに取り組んでいました。

 この日は「対岸」「沖」の同人で、俳人協会幹事を務める今瀬一博さんの指導を受けました。

 
▲初めての句会を楽しみました

 句会には7人の留学生が参加しました。初めは自分が書いた句以外の作品を5作選び互いの句を批評しました。今瀬さんは季語の使い方や表現の方法について丁寧に説明しました。

 
▲留学生の質問に丁寧に答える今瀬さん

 母国での思い出を詠み込んだ句や日本で学んだ授業内容を思い出してつくった句など力作ぞろい。CALLENBERG, Oscar Erik Kjellさんは、スウェーデンから持ってきた栃の実を見せながら「ポケットの中で、実を指で触っていると心まで温かくなります」と説明しながら句を紹介しました。

 
▲特選に選ばれた于さん(左)と今瀬さん(右)

 票数が多かった3人と、今瀬さんが選んだ特選の于競堯さん(中国)に賞品が手渡されました。特選に選ばれた于さんの句は、アルバイト前に見たきれいな月を思い出して、「明の月 歩いてむかう バイト先」と詠みました。「母国の中国でも俳句のようなものはありますが、日本語で俳句を書いたのは初めてです。とてもいい経験になりました。また賞を頂けて嬉しいです」と話していました。


▲自信作の句を披露します

 このほか、CIZRELIOGULLARI, Enverさん(トルコ)、Sun Wenyiさん(中国)、GUN, Taha Ardaさん(トルコ)の計5作品が選ばれました。
「時雨ふる 琴線切れた 稲光」(Enverさん)
「立冬に 眼鏡曇らす ひつじ鍋」(Wenyiさん)
「秋別れ 君お大事に 念を押す」(Wenyiさん)
「雪見酒 一人ランデブー 月もない」(Tahaさん)
「真っ赤な葉は 濡れた舗装で 木の鼻血」(Tahaさん)

 
▲俳句を通して日本語の表現や文化を学びました

 今瀬さんは「素直な作品が多くて若い感性に驚きました」と講評し、「日本人も外国人も心を揺さぶられる経験は同じです。今回の作品は国境を越えてくれました」と話していました。
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