大学院主催「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」始まる 全15回

 関西外国語大学大学院主催の「英語教員のための夏期リフレッシャーコース」が8月1日、中宮キャンパスで始まりました。大学院の授業「英語教育特別研究E」を一般に開放し、英語教育学とその関連分野の近年の研究を学び、英語力と英語授業力を高めるのが狙いで、今年で9回目。8月5日までの5日間で全15回の講義を開講します。大学院生と教員ら一般の参加者が各7人の計14人が受講しました。


▲あいさつする大学院外国語学研究科長の益岡隆志教授

 初日の5日は、冒頭、大学院外国語学研究科長の益岡隆志教授があいさつし、夏期リフレッシャーコースの主旨と、グローバル化が進む中で、豊かな教養を備えた高度専門職業人を育成することを目指す大学院の目標を説明し、「今年の受講者は大学院生と一般の方々が同数となりました。今コースが研究、学修の場となるとともに、交流の場ともなることを期待します」と話しました。


▲第1回講義を担当した岡田伸夫教授

 講義の第1回は英語キャリア学部の岡田伸夫教授が「二重目的語構文(=第4文型)の意味と用法(1)」の題目で行いました。 講義では、以下のような例文を示し、「二重目的語構文のかつての教え方は、それがSVO+to~構文と同義であるという前提に立ち、二つの構文を書き換えさせてきたが、形が違えば意味も違うと考えたほうがいい」と指摘しました。

 ・Jeff taught the boy math.
 ・Jeff taught math to the boy.

 そのうえで、動詞によっては、二つの構文の意味が異なることをネイティブの研究も交えて説明しました。また、二重目的語構文とSVO+for~構文の意味についても、動詞が特定の意味のときだけ二重目的語構文が使われる例があることなどを解説しました。


▲9回目を迎えた英語教員のための夏期リフレッシャーコース

【日程・講師/テーマ】
◇8月1日(火)
・第1回 岡田伸夫「二重目的語構文(=第4文型)の意味と用法(1)」
・第2回 近藤富英「異文化理解と英語教育について:異質なものとの共存への理解に向かってー」
・第3回 村上裕美「期待×価値理論に基づく自立した学習者の育成:VRおよびメタバースを活用した英語教育」

◇8月2日(水)
・第4回 西村孝彦「アクティブ・ランゲージ・ラーニング・ストラテジー:意識と気づきによる内的動機づけを基盤としたアウトプット重視の言語学習戦略」
・第5回 蔦田和美「English learnerからEnglish userへ:育成に向けての考察」
・第6回 竹沢幸一「叙述の日英語対照:時制を含まない述語形式に着目して」

◇8月3日(木)
・第7回 山﨑のぞみ「コミュニケーションのための文法指導方法」
・第8回 岡田伸夫「二重目的語構文(=第4文型)の意味と用法(2)」
・第9回 佐藤恭子「動詞を中心とした語彙指導:項構造の習得に焦点を当てて」

◇8月4日(金)
・第10回 小谷克則「言語教育のためのコーパス活用」
・第11回 大室剛志「英語の使役動詞の意味の中身を探る」
・第12回 伊東治己「英語教育の立場から言語と文化について考える」

◇8月5日(土)
・第13回 長友俊一郎「これだけは押さえておきたい助動詞の諸用法」
・第14回 後藤リサ「語用論と英語教育の接点」
・第15回 岡田伸夫「語句や文法構文のあまり知られていない意味・誤解されている意味」
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