中国・対外経済貿易大の学生芸術団が公演 伝統芸能の粋、300人が観賞

 中国の対外経済貿易大学(北京市)学生芸術団による日本公演が1020日夜、中宮キャンパスの谷本記念講堂で行われた。中国伝統芸能の粋を集めた歌や舞踊、京劇などが典雅な世界を醸し出し、一般の観客も含めた来場者約300人が観賞した。関西外国語大学孔子学院の主催で、世界の孔子学院を統括する中国政府の国家漢語国際普及指導小組弁公室(国家漢弁)などが後援。


▲幕開きの舞踊「俏花旦」でであでやかな踊りを披露する女性団員
 

 対外経済貿易大学生芸術団のメンバーは23人(学生16人、教員7人)。2009年以降、国家漢弁による5回の海外巡回公演を行っており、日本公演は今回が初めて。

 
公演では11の演目が上演された。幕開きは、雑伎のだしものとして代表的な「俏花旦(しょうかたん)」。京劇の衣装や音楽、技巧とアクロバティックな動きをふんだんに取り入れた女性4人の集団演技は、旧劇で〝美しい女役者〟を意味する題名の通り、一糸乱れぬ整然とした動きのなかにあでやかさを漂わせ観客を魅了した。



▲会場を盛り上げた京劇の代表作「覇王別姫」
 

 この後、伝統楽器の二胡による独奏、女性団員による民族歌謡の独唱と続き、京劇の代表作「覇王別姫」が上演された。きらびやかな衣装に独特の化粧をした男性団員が軽やかな踊りと歌唱力を披露し、会場が盛り上がった。


▲「未来へ」と中国語のカバー「後来」などを熱唱した芸術団メンバー
 

 後半では、日本の女性2人組グループ「Kiroro」の曲「未来へ」と、それを台湾出身の女性歌手・劉若英が中国語でカバーした「後来(ホウライ」を男女4人が日本語と中国語で歌い分けた。馴染みの曲がしっとりとした歌声で響き、大きな拍手が起きた。


▲豊かな声量で聞かせたカザフ族の民謡「マイラ変奏曲」の独唱
 

 終盤には、中央アジア・カザフ族の民謡「瑪依拉(マイラ)変奏曲」が登場。女性団員が、カザフの美しい娘マイラが歌う遊牧民と草原の情緒あふれる曲を二胡の伴奏で声量豊かに歌い上げた。民族楽器による合奏「花好月圓」は、仲むつまじさを表現した題名の曲が6つの楽器で合奏され、独特の民族楽器の音色が会場を包み込んだ。


▲中国画の世界を表現したフィナーレの「水墨中華」
 

 フィナーレは男女7人の古典舞踊「水墨中華」で締めくくった。しなやかな踊りで青色を基調にした長い衣装を空に舞わせて雲や水が流れるような中国画の世界を表現し、舞台は最高潮に達した。

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