三味線音楽を楽しむ 国文研公開講座開催

 国際文化研究所の公開講座「三味線音楽への招待―生演奏で聞く本物の音色―」が6月19日、マルチメディアホールで開かれ、横浜市出身の小唄伊吹派2代目家元、伊吹清寿さんが三味線の演奏を披露し、参加した市民や教職員らが伝統音楽の奥ゆかしい音色を楽しみました。

▲三味線の構造などについて解説する伊吹清寿さん

 講座は国文研所長の野村亨・外国語学部教授が日英2カ国語で司会を務めました。伊吹さんは三味線の歴史について、中国の三弦が起源とされ、永禄年間(1558~1570)に琉球経由で渡来した楽器に日本独自の改良が加えられたと紹介しました。

 さらに、三味線は、「棹」(ネックの部分)の太さから、細棹、中棹、太棹の3種類に大きく分類され、細棹は歌うタイプの長唄や端唄に、太棹は語るタイプの義太夫や浪曲などに使われると話し、三味線を示して構造などを解説しました。

▲三味線を弾きながら長唄を披露する伊吹清寿さん(左は司会を務めた国文研所長の野村亨教授)

 伊吹さんは「端唄は江戸中期から末期にかけて、江戸市中で流行した三味線小曲、小唄は端唄から派生した三味線小曲」などと説明した後、三味線を演奏しながら、長唄「秋の色種(いろくさ)を披露しました。「〽夢は巫山(ふざん)の雲の曲・・・・・・」とよく通る声が会場に響き、参加者は聞き入っていました。

 伊吹さんは慶応義塾大学在学中に長唄・端唄のサークルに所属。杵屋佐之忠師に師事し、2014年、叔母の故・伊吹寿栄(小唄伊吹派初代家元)の跡を継ぎ、伊吹清寿を名乗りました。
 
一覧を見る