同志社大学の柴田修子准教授が「メキシコのサバティスタ運動」について講演しました/イベロアメリカ研究センター連続公開講座

 メキシコの先住民をテーマに開催しているイベロアメリカ研究センター連続公開講座の第3弾が11月9日に開かれ、同志社大学の柴田修子准教授が「メキシコのサバティスタ運動-たくさんの世界からなる世界を求めて-」をテーマに講演しました。


▲サバティスタ運動について講演する柴田准教授

 サバティスタ運動は、1994年にメキシコ・チアパス州で先住民集団が武装蜂起したのをきっかけに起こりました。当時は、社会運動でほとんど使われていなかったインターネットを通じて世界にメッセージを発信し、世界的な連帯の声が上がったことなどからメキシコ政府は停戦し、交渉に入りました。「言葉を武器にしたゲリラ」「ネットによる社会運動の先駆け」とも言われています。


▲講演はオンラインでも配信されました

 柴田准教授は、サバティスタが1996年に主催した大陸間会議に参加したのをきっかけにサバティスタ運動の現地調査と研究を続けています。講演では、サバティスタの独特の主張や、運動がなぜメキシコ内外に支持されたのかを話しました。


▲サバティスタ運動の特徴を丁寧に解説しました

 サバティスタが蜂起した理由として、柴田准教授は「先住民の貧困の原因はメキシコの民主主義の不在だとし、国そのものではなく政府を批判しました」と述べました。そして「国家からの独立を求めるのではなく、先住民としてあるがままに生きられる世界を求めました。マイノリティーが尊重される世界です」と話し、世界のマイノリティーとの共闘につながったとしました。


▲現地の様子も詳しく紹介しました

 また「善き統治評議会」を設け、政治的な問題はそこで話し合って解決する参加型民主主義を実践しました。柴田准教授は「権力を求めないというのが、サバティスタ運動の大きな特徴の一つです。水平のネットワークでの意思決定を図り〝従いながら統治する〟との姿勢を貫きました」と話しました。

 ネットを使ってコミュニケを発表するなどして世界に訴えたことで、サバティスタの主張は世界中のさまざまな人に浸透しました。その結果、2001年の憲法改正で先住民の自治権が明文化されました。


▲参加者からさまざまな質問が出ました

 柴田准教授は「このことで先住民運動がより活発になりました」と話す一方で、今回の講演の直前に自治区と善き統治評議会の解散が発表されたことに触れて「今後の行方に注目しています」と締めくくりました。
一覧を見る