FDカフェ第6話 谷本榮子理事長の語る「関西外大の明日に向かって」


▲テーマは「関西外大の明日に向かって」

和やかムードの中で意見をやり取りする関西外大の“炉辺談話”「FDカフェ」第6話が12月18日、中宮キャンパスで開かれた。話題提供者は谷本榮子理事長で、「関西外大の明日に向かって」がテーマ。来年70周年を迎える本学の過去・現在・未来を通した話が聞けるとあって、遠隔装置で結ばれた学研都市キャンパスと合わせて、参加者は100人を超えた。職員や学生の姿も目立ち、立場を超えて「関西外大のあり方」を考えるひとときとなった。

谷本理事長はスライドを使い、「これまでの軌跡」から話を始めた。終戦直後の「谷本英学院」創設から、民家を改造して教室にした関西外国語学校、関西外国語短期大学、そして1966(昭和41)年の関西外国語大学へと発展していった道のりを説明。「語学学校の競合が激しかった昭和20年代には、朝暗いうちにポスターを電柱に貼って、しばらくして見に行くとはがされてライバル校のが貼ってあった」という故谷本貞人総長の体験談や、「幼稚園附属短大とやゆされた」という、幼稚園の隣にあったころの裏話を紹介した。


▲未来への挑戦を語る谷本榮子理事長
 
また、大学院の修士課程に続いて、外国語大学で初の博士課程開設を計画した1970年代は、「外国語大学にドクターコースは必要ない」と言われた時代。苦難を乗り越えて博士課程をスタートさせると、「ドクターコースのある外国語大学として、世間の評価が高まった」と振り返った。
こうした発展の中で、万代から枚方に移り、片鉾、穂谷とキャンパスを拡充し、現在の中宮、学研都市両キャンパスに学生が集う現在に至った過程を、映像を示しながら語った。
 

▲100人以上が参加したFDカフェ第6話

本学の最大の特徴である国際交流については、留学による「人間力の成長と社会人基礎力の向上」をめざしたといい、「海外からの留学生は“未来からの贈り物”と受け止めている」と自らの思いを披露した。「本学は後発の大学でした。先行の大学と同じことをやっていては、前に出られない」と、日本の大学が手をつけていなかった米東海岸の大学と積極的に協定を結ぶなど、苦心して発展させた国際教育の歩みについて言及した。


▲和やかな中にも緊張感が……
 
「協定校が100校になるまでは、本学を売り込んで提携してもらう“営業”は、大変な作業でした。それが200校にもなると評価が高まり、香港、マレーシア、豪州、ニュージーランドだけでなく、ヨーロッパの大学からも引き合いが来て、順調に進みました」と、現在の51カ国・地域344校に至る協定校拡充の道筋を述べた。
 

 ▲世代を超えた学びについて質問する青木豊明教授

志願者数も順調に伸びている中で、理事長が常に目を留めるようにしているのが、文部科学省の学校基本調査をもとにまとめた1枚の表。日本の18歳人口と高校卒業者数、大学・短大の入学者数を時系列で並べたものだ。十数年後の数字まで入っており、少子化の波が一目瞭然。「教育機関の変遷はさほど目立ちませんが、社会の変化には対応しなければなりません」などと語り、本学の進むべき姿を示して話を締めくくった。
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