アジア共創学科 2025年4月スタート(設置構想中)/ベトナム語を学びましょう/アルファベットを基にした文字

 春学期から言語科目として「ベトナム語」が新たに授業科目に取り入れられました。2025年のアジア共創学科開設を見据えつつ、現在47万人を超える日本の在留ベトナム人との共生を目指すためにも重要な言語として開講されました。

※関西外大通信「THE GAIDAI」317号の記事を基にまとめています
 

■発音の基礎を繰り返す

 伊澤亮介講師が担当する専門研究特別講義Jの授業をのぞいてみました。

 受講生はベトナム語に触れたことがない学生ばかりです。ただ、「留学したときのホストファミリーがベトナム出身でベトナム語に興味が湧きました」「ベトナムを旅行した友だちがみんな良かったと言うので関心があります」と話します。ベトナム語が意外と身近にあると感じました。

 東南アジアの言語の多くが独自の文字を使いますが、ベトナム語はアルファベットを基にした文字です。日本人にはなじみのある文字なので始めやすい言語です。

 一方で発音はとても複雑です。伊澤講師は「最初は発音の基礎を繰り返します。積極的に声を出して、しつこく練習しましょう」と檄を飛ばしました。


▲最初は発音の基礎を繰り返します

■声調は6種類、母音11種類

 音節の中での高低や昇降の変化で言葉の意味を区別する「声調」は6種類あります。中国語の4種類、タイ語の5種類を上回ります。

 もともと日本語にはないだけに、聞いただけですぐに区別しづらく、実際に声に出そうとしてもなかなかうまく出せません。

 母音は11種類あり、他に介母音、二重母音、頭子音、末子音などがあってますます複雑な発音になります。

 声調や発音が違えば、意味は全く異なります。授業の最初の4~5コマで徹底的に練習を繰り返しました。


▲声調や発音が違うと意味が全く異なります

■独特な敬意の伝え方

 ベトナム語には日本語の敬語にあたる言葉が少なく、相手をどう呼ぶかで敬意を表します。「絶対的なものがありません。なかなか面倒です」と伊澤講師は言います。

 ベトナムでは会話の中で、年齢や立場の違いを強く意識します。年上の人や立場が上の人に対しては男女別にいくつもの呼称があり、使い分けなければなりません。

 授業の中では、声調・発音とともに、場面に応じて呼称を使い分ける練習も徹底して行います。

 授業の合い間にはベトナムの豊かな文化や独特な習慣を紹介しています。

 「お茶」「コーヒー」といった単語が登場すると伊澤講師が「ベトナムではハスのお茶が有名。とてもおいしいですよ」「コーヒーには砂糖や練乳がたっぷり入っています。苦手な人は砂糖抜きのブラックコーヒーの言い方を覚えましょう」と紹介します。


▲ベトナムのコーヒーがテーマになりました


▲発音練習している言葉はベトナムの有名な麺料理「フォー」です

・人口は1億人超  ベトナムは人口が1億人を超えました。GDPは4138億ドルで、著しい経済成長を遂げており、成長率は8%に上ります。日本とベトナムの歴史をたどると、1300年前に遣唐使として唐に渡り、後にベトナムで安南節度使を務めた阿倍仲麻呂にまでさかのぼります。




 
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