関西外国語大学 学長あいさつ

大庭 幸男 OBA, Yukio, Ph.D.
関西外国語大学 学長
学校法人関西外国語大学 理事
予測困難な時代、確かな目をもって歩まれることを期待します
コロナ禍の1年が過ぎ、新年度を迎えました。これから対面授業が始まり、学生たちの元気な声がキャンパスに戻ることでしょう。とはいえ、当面は慎重な対応も求められ、18歳人口の減少傾向も続く中で、大学を取り巻く環境は厳しさを増していますが、学生本位の教育の実現など高等教育をめぐる諸課題に教職員一丸となって取り組んでいきたいと思います。
昨秋、創立75周年を迎えた本学の歩みは、太平洋戦争の終戦間もない1945年11月、大阪市内に創立した「谷本英学院」に始まります。関西外国語学校、関西外国語短期大学を基盤として、1966年に関西外国語大学外国語学部を開学しました。
その後、大学院、国際言語学部を設け、2011年に英語キャリア学部を開設。ここに、大学院、大学3学部、短期大学部からなる現行の体制が整いました。また、2013年には英語キャリア学部に英語が使える小学校教員を養成するコースの付設、翌年には国際言語学部を英語国際学部に改組転換し、学生数1万3000人の大学に成長してきました。
私立大学の拠って立つ基盤は建学の精神にあります。本学は「国際社会に貢献する豊かな教養を備えた人材の育成」と「公正な世界観に基づき、時代と社会の要請に応えていく実学」を建学の理念に掲げ、独自の人材育成にまい進してきました。
2009年には中・長期ビジョン「関西外大ルネサンス2009」を策定し、21世紀に進むべき方向を示しました。これを継承する形で、2019年には「関西外大ビジョン・中期計画」を定めました。5つのビジョンと8つの基本戦略を掲げ、「Kansaigaidai University への進化」を合い言葉に、関西外大ブランドの確立をめざしています。
本学の強みは、長年にわたり築き上げてきた本学独自の留学ネットワークにあります。単位互換協定を結ぶ海外の大学は55カ国・地域の395です。これら大学に派遣する日本人留学生は年間約1900人、本学で学ぶ外国人留学生は約750人に上ります。
多彩な留学プログラムの中で、重視しているのは「専門分野」を学ぶ留学です。語学をツールとし、現地の学生と一緒に授業を履修して専門知識の修得をめざしています。こうした「語学プラスα」の追究を通して、新時代のグローバル・リーダーを育成するのが目標です。
2018年春には御殿山キャンパス・グローバルタウンを開設し、中宮キャンパスとの一体運用が始まりました。キャンパス内には、関西外大生と留学生合わせて650人が入居可能な“学・食・住”空間としての教育施設「GLOBAL COMMONS 結 –YUI-」を設け、国内にいながら留学するのと同様の学修環境が整いました。
また、海外協定校と協働開発した英語教育プログラム「Super IES プログラム」やオールイングリッシュで開講する「関西外大流グローバル人材育成プログラム」を導入いたしました。
グローバル化の加速や技術革新の進展により、予測困難な時代が到来しようとしています。しかし、学生にとっての大学のあり方は不変です。それは、一人ひとりが人生を設計し、自ら実現していくための学びの場であることです。みなさんが確かな目をもって目標や夢を定め、それに向かって力強く歩まれることを期待するとともに、それを強く支持していきます。
経歴
1976年 | 九州大学大学院 文学研究科 英語学・英文学専攻 修士課程修了[文学修士] |
1985年 | アメリカ・マサチューセッツ工科大学 客員研究員 |
1997年 | 博士(文学)大阪大学 |
1999年 | 大阪大学大学院 文学研究科 教授 |
2008年 | 日本英文学会 理事 |
2010年 | 大阪大学大学院 文学研究科 副研究科長 |
2012年 | 日本英語学会 理事 |
2013年 | 大阪大学 名誉教授 |
2013年 | 日本英語学会 会長 |
2013年 | 関西外国語大学 外国語学部 教授 |
2013年 | 学校法人関西外国語大学 理事 |
2014年 | 関西外国語大学大学院 外国語学研究科 研究科長 |
2018年 | 日本英語学会 顧問 |
2020年 | 関西外国語大学 学長 |
受賞歴
1998年 | 市河賞(財団法人 語学教育研究所) |